http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22301220110721
岩田規久男学習院大学教授と福田東大教授の論争である。
ロイターは神学論争であるとした。
バカな。
勝負の方はとっくについている。
岩田教授は「ふたつの経路」を重ねて主張している。
経路① 復興債は乗数効果の高い政府支出である。日本には今まで、目覚ましい乗数効果を持った公共投資先が残念ながら存在しなかった。しかし、皮肉にもこの大震災で新興国のような高い乗数効果をもつ政府投資先が出来上がってしまった。
ここに潤沢に政府支出をするべきである。
経路② 日銀引き受けをすることで、復興債が既存市場のマネーを吸収せずに済む。市場に潤沢なマネーを投入することで、インフレ予想が出来上がり、長期デフレ脱却に寄与するはずだ。
対して福田教授は日銀引き受けで高インフレが起こる懸念がある、とする。
復興債は増税によって、財源を確保することが常道であると主張。
しかし、岩田教授は例えばスウェーデンはリーマンショックでデフレに陥ったが、中央銀行がバランスシートを4倍にすることでデフレを脱却し、現在も2-3%の適切なインフレ率に安定している、とする。
また、高橋是清時代、日銀引き受けを行ったが、インフレ率は1.5%で安定し実質成長は平均6.1%の高成長を達成していたとする。(高橋はのちに90%を市場に売り戻している)
そして過度なインフレになった場合、国債を市場に売り戻すことで高インフレの懸念はないとした。
どう見ても岩田教授がマトモである。
ロイター始め、マスコミは神学論争にしたいのだろうが、論理的な主張をしているのはどちらか?
そして日本国民の幸福に資するのはどちらの政策なのかは、明白であろう。