財政の持続性を表現するのに、何が適当かっていうと、ドーマー条件でしょう。
これが一番、簡便です。
財政の発散とは、この条件をクリアしているのかどうかで決まります。
もう何度も説明しているので、聞き飽きた方、理解していらっしゃるかたは読まなくても結構です。
財政の発散云々は税収の元になる名目GDPと国債発行残高の増加率で決まります。
何度も言いますが、これを理解してない方が非常に多いんです。
いいですか?名目GDPの塊と国債発行残高の塊の大きくなる率を比べましょう、っていうのがドーマー条件です。
名目GDP成長率>国債発行残高の平均金利なら、ドーマー条件はクリアされます。
これは二つの塊の増加率、塊の大きくなり方の比較ですよね。
だからこういう状態なら財政は持続性を持つと言われます。
しかし、これだけでは不十分です。
なぜなら、基礎的財政収支(国債発行を除いた分の歳入から国債費を除いた分の歳出)が黒字にならなければなりません。そうでなければ新規の国債を発行することで国債残高は増えてしまいますから。
つまり、ドーマー条件を満たす標準的な目標と言うのは基礎的財政収支をゼロにして新規国債の発行を借換債のみにすればいい。そして名目GDP成長率>国債残高の平均金利にすればいいわけです。
基礎的財政収支プライマリーバランスをゼロにするためには、旺盛な税収が必要です。そうでなければ国民生活がクラッシュしてしまう。歳出削減や増税をしてPBを均衡させなければなりません。それには好景気が必要です。そして世界各国はどうなってるかと言うと、名目GDP成長率が4%以上であれば、大体の国は名目GDP成長率>国債発行残高の加重後平均金利になっている。つまり、財政を持続的に運営するためには名目GDP成長率4%が黄金律と言われる所以です。
単年度の赤字がでなければ、新規国債の発行の増加は金利の負担分を補填するためと償還する国債を借り換えるためのみになります。借り換えても元本は増えません。国債残高が増えるのは金利負担上昇分だけなんです。だから、現在の国債残高がGDPの60%だろうが200%だろうが関係ないんですよ。大切なのは左右の塊の増加率の比較なんですよ。
つまり、我々が目指さなければならないのは、名目GDP成長率を4%以上にして、名目GDP成長率>金利としてPBを黒字化することだけです。
何もインフレを怖れることはないわけです。
インフレになれば利払い費が増加するからPBが深刻になる!っていうのが噴飯モノのトンデモバカ理論であることがおわかりいただけると思います。