貨幣数量理論を再考する | グレッグのブログ

グレッグのブログ

ブログの説明を入力します。

何度も書いて恐縮だが、古典的経済理論、貨幣数量理論を再考してみる。


MV=PTである。

Mはマネーストック Vは貨幣流通速度 Pは物価 Tは産出量である。

Mはマネタリーベースmと信用乗数eに分けられる。


書き換えるとmeV=PTである。

PTは名目GDPである。

基本的に中央銀行はマネタリーベースしか操作できない。

そして貨幣需要が強いときは、mが増えればeが下がってしまう。

日本は名目金利が低いので貨幣を供給しても金利が低いので貨幣を退蔵してしまうんだ。

だから、Mマネーストックがなかなか増えない。


何とか政府はT産出量を上げたいのである。

それは失業率の低下を意味するから。

P物価は5%以上の上昇は避けなければならない。


日本政府、日銀はどうしたらいいんだろう?

Mを上げるにはmを上げるしかない。確かにeは低下するが、間違いなくMは上がる。

上がらなければ、発行国債全部を日銀が買い取って現金にしてもMが上がらないことになる。

そんなことはありえない。

だから今は積極的にマネタリーベースを上げなければだめだ。

マネタリーベースを上げることは市場にインフレ期待が出てくる。

インフレになるということは貨幣の価値が下がることだから、積極的に貨幣をモノやサービス、または債券、株式、不動産などに変えていく動きが出るはずだ。これはVの上昇を意味する。

そうすることが得だからだ。

経済は倫理観で動くものではなく、損得で動くものだ。

貨幣需要を落としたいなら、そういう状態が得になるよう政府が誘導すればいいだけだ。

そして規制の緩和である。

昨日お話ししたレベニューボンドもそうだし、規制にがんじがらめになっている市場を緩和することで、現金を動かすことが必要である。

新たな投資機会を政府が増やすことが重要なんだ。


左辺は政府の誘導で増える。

右辺は市場の動向による。

日本には20~30兆円のデフレギャップがある。

だから左辺の量が増えてもすぐにP物価は上がらない。

T産出量が増え、それでも供給が需要に追い付かなければ初めてPは上がるんだ。


日本のような供給力があるデフレ社会を元気にすることは簡単である。

発展途上国は供給力がなく、貨幣を供給すればすぐにPが上がってしまうから貧しいのである。

日本は政策当局の無知ゆえ、国民が不当に貧しい生活を強いられているんだ。

その認識が重要である。