均衡予算乗数と非ケインズ効果 | グレッグのブログ

グレッグのブログ

ブログの説明を入力します。

均衡予算乗数とは、財政出動をするのに同額の増税で賄った場合に国民所得はどれだけ増えるか、っていう議論です。

政府支出乗数はΔY=1/1-c X ΔGです。

政府支出ΔGに対して所得は1/1-c倍増えることになります。

cは限界消費性向です。

次に租税乗数はΔY=c/1-c xΔTです。

この場合は増税ですからマイナス要因となります。


では、どういった結果が起きるでしょうか?

増税と政府支出を同額行った場合を考えます。

ΔY=1/1-c X ΔG ー c/1-c X ΔT増えます。

ΔG=ΔTですから、

ΔY=1/1-c X ΔG - c/1-c X ΔG=1-c/1-c X ΔG=ΔG

つまり、増税で政府支出を同時に賄っても国民所得はΔG増えるわけです。

これが均衡予算乗数が1であると言われる所以です。

菅総理が「増税をして政府支出しても景気が良くなる」と間抜けな発言を繰り返すのはこれを小野教授に吹き込まれたからでしょう。

しかし、これは完全に間違っています。

どこでしょうか?


まず、このブログでも何度も言ってますが、政府支出は必ず一部分は海外に流れるのです。

すべて国内に支出されることはあり得ません。

よって国民所得は政府支出の一部分しか増えません。

そして、財政出動は実質利子率を上げますので国内投資が落ち込みます。

実質利子率の増加は通貨高を引き起こし、純輸出も減らします。

Y=C+G+I+Nxなのです。

IもNxも減るのでこんな結果はあり得ないのです。


典型的なオールドケインジアンの発想です。

しかし、小野教授はここで非ケインズ効果を出すみたいです。

非ケインズ効果とは財政が均衡していると、将来増税はないと国民が予測して消費が増える。

それを投資や純輸出の減少を補って余りあると・・・。

計量経済モデルでこれを証明して、根強いファンがいるようです。


そもそも消費は所得の増加関数であり、実質利子率の減少関数です。

実質利子率が上がっているのに、消費が増えるなんてありえないと思うんですが・・・。

小野教授は自分の論の正しさを証明するため、日本を実験台にするつもりです。

間違いありません。

そして菅はアホですから、この論に飛びついている。

アホなんです。


民主党を潰さなければ日本が潰れます。

危機感を少しでも共有していただけたら、幸甚です。