翌朝目覚めるとすっかり体調は良くなっている
僕がベッドを占領してしまったので、彼女はリビングのソファーでまるで仔猫のように丸まって眠っていた

その寝顔が愛おしくて、起こさない様にと思いながら見つめていると不意に目を覚ます

『おはよう 昨日はありがとうございました
すっかり良くなりました ベッド占領してごめんなさい』と言うとほっとしたように微笑んでくれる

愛おしくて思わず彼女を抱きしめた


口づけをしようとすると、彼女は顔を背けて苦しそうに呟いた
「貴方には相応しくない…」

『もう一度逢いたくて、夢中になってしまったけどあなたを好きになることは迷惑なの?
相応しくないってどう言う意味?』と思わず声を荒げてしまう

「だって貴方はまだ若いし、それに私は…」と言うと涙が零れ落ちる

『歳の差なんて関係ない 今、この瞬間僕はあなたを愛している あなたは僕が嫌い? あなたを好きになってはいけないの?』
いつの間にか僕の目にも涙が溢れている

「貴方が好き…私もあれからずっと貴方を忘れようと必死になっていたけど、昨日貴方に逢えたときには嬉しくて、自分でも分からなくなってしまったのでもこの想いは諦めないと駄目…」と言うと僕の胸に顔を埋めて泣き出した

『あなたの過去にどんな事があったかは知らない
誰でも生きていれば言えない秘密があるのは当たり前でしょ…
そんな事を今更聞くつもりもない
それよりこうして今、2人は出逢ってお互いを求めていることの方が大切なんだ…』
と言うと彼女はびっくりしたように顔を上げた

そのまま唇を重ね、思いの丈を伝えるように強く抱きしめた…

この出逢いと奇跡を二度と手放さないように…