真空ポンプの不正輸出容疑、不起訴処分
真空ポンプの台湾経由で北朝鮮への不正輸出事件で書類送検されたナカノ・コーポレイション社長は「嫌疑不十分」で不起訴処分になったとのこと。
ナカノ・コーポレイション社長は真空ポンプが「北朝鮮に行く」という認識はあったものの、「核兵器開発に転用される恐れがある」かを認識していたかの立証までは困難だった、つまり大量破壊兵器キャッチオール規制の該当要件のうちの客観要件(用途要件・需要者要件)を満たすとまではいいきれなかったということであろう。
今回の事件を通して神奈川県警幹部は台湾経由の北朝鮮への調達ルートを解明したことに意義があるとしているが、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部安全保障貿易管理課及び安全保障貿易審査課の方々は今回の事件をどのように感じたであろうか?
2008/07/16:北朝鮮に不正輸出 会社社長を不起訴 横浜地検:産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/kanagawa/080716/kng0807160312001-n1.htm
2008/07/15:不正輸出:北朝鮮へ真空ポンプ 貿易代行社長を不起訴に:毎日新聞
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080715k0000e040083000c.html
2008/07/15:北朝鮮に真空ポンプ輸出、代行業の社長不起訴に:読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080715-OYT1T00261.htm
2008/07/15:核開発転用できる品を北朝鮮に輸出した会社社長を不起訴 横浜地検:産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080715/crm0807151013006-n1.htm
2008/07/15:貿易代行社長を不起訴=北朝鮮に真空ポンプ輸出-横浜地検:時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008071500262
2008/07/15:無許可輸出容疑の社長を不起訴に 北朝鮮に真空ポンプ:日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080715STXKC011715072008.html
2008/07/15:北朝鮮に真空ポンプ輸出 社長を嫌疑不十分で不起訴:朝日新聞
http://www.asahi.com/national/update/0715/TKY200807150402.html
2008/07/15:北朝鮮に不正輸出容疑で書類送検の社長を不起訴/横浜地検:カナロコ
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiijul0807380/
なお、キャッチオール規制の該当要件である、客観要件(用途要件・需要者要件)については以下の記事に簡潔にまとめてある。
NIKKEINET:知財・法務Q&A キャッチオール規制の該当要件
http://bizplus.nikkei.co.jp/qa/houmu/index.cfm?i=20061115q6002q6