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水戸行きに乗ったつもりが… 東北の一歩手前!
宇都宮線(東北本線)、高崎線、常磐線と東海道本線を直通する上野東京ラインなど、長い区間を運転する列車も多い関東では、うっかり寝過ごすと、あらぬところにたどり着いてしまうケースがあります。そのような「寝過ごし注意」な列車には、どのようなものがあるのでしょうか。
【地図】寝過ごすとどこに行ってしまう?
●品川20時24分発(東京20時33分発) 常磐線 水戸行き
・運行距離:127.9km
・所要時間:2時間17分
※ダイヤは2018年3月19日(月)現在の平日。以下同。
この列車は、品川駅を出発するときは「水戸行き」となっていますが、水戸駅へ22時41分に到着後、そのまま大津港行きの最終列車となります。大津港駅(北茨城市)は茨城県の最も北に位置し、その先2kmほど行けば東北地方の福島県です。
水戸駅で19分停車したあと、23時00分に発車。大津港駅には23時57分に到着します。品川駅からの運行距離は191.3km、所要時間は3時間33分です。この列車に乗ると東海~大甕(おおみか)間で上り方面の最終列車とすれちがいますので、東海駅(東海村)が折り返せる最後の駅です。
大津港駅周辺には、コンビニエンスストアはあるものの、ホテルなどはありません。太平洋沿いの五浦(いづら)地区には温泉ホテルなどもありますが、駅からは3km以上離れています。運よく大津港駅の到着前に目を覚ましたなら、駅前にビジネスホテルなどもある高萩駅(高萩市)や日立駅(日立市)で降りたほうがよいかもしれません。
関東を縦断し、戻れなくなるケースも
「寝過ごし注意」な列車は、ほかにもあります。
●熱海18時53分発(東京20時49分発) 宇都宮線 黒磯行き
・運行距離:267.9km
・所要時間:4時間46分
黒磯駅は栃木県の北部、那須塩原市の駅です。宇都宮以北へ向かう最終列車は、かつては宇都宮始発でしたが、上野東京ラインが2015年3月に誕生したことで、静岡県東部の熱海駅から関東を縦断する列車へと変化しました。黒磯着は23時39分。この列車に乗ると、雀宮~宇都宮間で上り方面の最終列車とすれ違います。雀宮駅を過ぎて目が覚めたらアウト……ですが、次の宇都宮駅で新幹線の上り最終列車に乗り換えれば、大宮駅に戻って(小山駅は通過)、改めて宇都宮行き最終列車に乗れます。
●前橋20時28分発(東京22時52分発) 東海道本線 熱海行き
・運行距離:219.4km
・所要時間:4時間14分
上野東京ライン誕生以前は東京発だった熱海行きの最終列車で、上記の黒磯行きと同様、群馬県から関東を縦断する運行になりました。熱海着は0時42分。この列車に乗ると、藤沢~辻堂間で上り方面の最終列車とすれ違うので、藤沢駅が折り返しのデッドラインになります。
●東京23時31分発 中央本線 中央特快 大月行き
・運行距離:87.8km
・所要時間:1時間39分
中央本線の高尾以西へ向かう最終列車です。山梨県東部の大月駅到着は1時10分。上り方面へ向かう列車がなくなる高尾~大月間は、東京、神奈川、山梨の都県境をまたぐ山間部になります。途中駅で下車すると、泊まったり時間をつぶしたりする場所を探すのは難しいかもしれません。
ちなみに、東京を始発とする中央本線の列車には、大月駅からさらに富士急行線へ乗り入れ、河口湖駅(山梨県富士河口湖町)まで運行する通勤快速があります。その最終は東京19時10分発、河口湖22分05着ですが、河口湖まで寝過ごしてしまったとしても、そこから大月駅までは戻ることができます。大月駅からは東京方面へ向かう上り列車は終了していますが、甲府方面への下り最終列車に乗り継ぐことは可能です。
歓送迎会シーズンの3月、4月は、お酒を飲み列車で家路につく機会も増えるかもしれません。寝過ごしには注意したいところです。
乗りものニュース編集部