剛速球がハトに直撃…、帽子の中に冷凍キャベツ…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイ | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。

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剛速球がハトに直撃…、帽子の中に冷凍キャベツ…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
折れたバットからコルクが見つかったら…?
■Q1:折れたバットから「コルク」が発見された場合、バットを所持していた打者はどうなる?

 ストレートのスピードに押されて、バットが折れてのセカンドゴロ。この折れたバットから、何と「コルク」が発見された。審判団は、打者に対してどのような判定を下したのか。

A:打者は反則行為でアウト、即刻退場! 後日、出場停止処分が科される。
B:次打席以降、正規のバットに持ち替えて打てば問題ない。
C:違法バットを持っていたため、ノーカウント。打ち直しとなる。


■ 正解は…

A:打者は反則行為でアウト、即刻退場! 後日、出場停止処分が科される。

 03年6月3日、MLBのカブス対デビルレイズで起きた事件。カブスのサミー・ソーサがセカンドゴロを打った際、バットが折れてしまった。そして、折れたバットの中からコルクが見つかった。球審から退場処分を受け、その後さらに7試合の出場停止処分が下された。

 バットについて、公認野球規則にこのように記されている。

 1.10(a)「バットはなめらかな円い棒であり、太さはその最も太い部分の直径が2.61インチ(6.6センチ)以下、長さは42インチ(106.7センチ)以下であることが必要である。バットは1本の木材で作られるべきである」

 そして、重要なのが6.06(d)「次の場合、打者は反則行為でアウトになる」の項となる。 

 「打者が、いかなる方法であろうとも、ボールの飛距離を伸ばしたり、異常な反発力を生じさせるように改造、加工したと審判員が判断するバットを使用したり、使用しようとした場合。このようなバットには、詰めものをしたり、表面を平らにしたり、釘を打ちつけたり、中をうつろにしたり、溝をつけたり、バラフィン、ワックスなどでおおって、ボールの飛距離を伸ばしたり、異常な反発力を生じさせるようにしたものが含まれる。打者がこのようなバットを使用したために起きた進塁は認められないが、アウトは認められる。打者はアウトを宣告され、試合から除かれ、後日リーグ会長によってペナルティが科せられる」

 コルクバットは、「異常な反発力を生じさせるように改造」に該当していた。
■Q2:投球がハトに直撃し、捕手にまで届かなかった。判定は?

 投手が投げた球が、何とバッテリー間をたまたま横切ったハトに直撃し、 捕手に届かず。ハトはそのまま命を落としてしまった…。めったに見られないプレーだが、この場合の判定はどのようになるのか。

A:ノーカウントでやり直し。
B:ストライクゾーンに行かなかったため、ボールとなる。
C:退場。


■正解は…

A:ノーカウントでやり直し。

 01年3月24日、MLBのスプリングトレーニング中に起きたアクシデント。ダイヤモンドバックス対ジャイアンツ、マウンドにはMLBを代表する左腕、ランディ・ジョンソンが上っていた。7回、カルビン・マレーへの投球時に悲劇が起った。

 バッテリー間を横切ったハトに、ジョンソン投手の剛速球が直撃。ハトはホームプレート近くに落下、命を落としてしまった。 なかなか目にする機会のないアクシデントだが、このような場合の判定はどうなるのか。


 公認野球規則7.05(a)【注1】に次のように書かれている。

 「また、投球が鳥に触れた場合は、ボールデッドとしてカウントしない」

 つまり、ノーカウントで投球のやり直しとなる。公認野球規則は、鳥に当たることまで想定している。では、打球が鳥に当たった場合はどうなるのか。

 「送球またはインフライトの打球が、鳥に触れた場合は、ボールインプレーでありインフライトの状態は続く。しかし、プレイングフィールド上(地上)の鳥または動物に触れた場合は、ボールインプレーであるが、インフライトの状態でなくなる」

 インフライトとはフライのこと。ボールが空中で鳥に当たり、方向が変わったとしても、地上にボールが着く前に捕球すればアウトとなる。

剛速球がハトに直撃…、帽子の中に冷凍キャベツ…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】
帽子から冷凍キャベツが…?
■Q3:投球後、帽子から冷凍キャベツが落ちてきた。まさかの事態、ルール上はどうなる?

 投球後に落ちた帽子から、一緒にモノが落ちた…? よく見ると冷凍キャベツ。暑さを和らげるために頭の上に乗せていたという。この日は球審から注意や処分はなかったが、試合後に相手から「ルール違反では?」とクレームが入った。ルール上、OKなのか?

A:本来はルール違反。その投球はボールとなる。
B:本来はルール違反。その場で退場となる。
C:ルール上、何ら問題はない。


■正解は…

B:本来はルール違反。その場で退場となる。

 韓国プロ野球で実際に起こった事件。2005年6月19日、斗山の朴明桓が帽子の中に冷凍キャベツを入れていた。

 試合中、帽子が2度落ちたとき、この冷凍キャベツも一緒に落ちてしまった。暑さをしのぐために、頭の上に冷凍キャベツを乗せていたという。ただ、球審が注意することなく試合は進み、朴は7回無失点の好投でシーズン9勝目を挙げた。

 試合後、相手チームから「ルール違反ではないか」とクレームが入った。後日、韓国野球委員会(KBO)は規則委員会を開き、「投手が異物を身に付けたり持っていれば、ただちに退場させる」と記されている公認野球規則8.02(b)項に当たると発表した。

 正しくはこう書かれている。

 「投手がいかなる異物でも、身体につけたり、所持すること。本項に違反した投手はただちに試合から除かれる。さらに、その投手は自動的に出場停止となる。マイナーリーグでは、自動的に10試合の出場停止となる」

【注】として「アマチュア野球では、1度警告を発した後、なおこのような行為 が継続されたときには、その投手を試合から除く」

 ただ、KBO側はこのようなコメントも出している。 

「常識的には、頭にかぶったキャベツが投球に影響を与えるとは思えないが、論難になっただけに、 この機に異物の範囲を規定してみようという趣旨」

 ルール上でも想定外のキャベツ投法だった。

ベースボールチャンネル編集部