なぜ渋滞って発生するの? 知るとおもしろい渋滞の謎! | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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渋滞というと何を思い浮かべますか? 皆さんにとって身近な渋滞といえば車による道路渋滞ですが、実は自然界には多くの渋滞が存在しています。また、渋滞の発生源を知れば未然に防ぐことも可能なのだとか。一体どういうことなのでしょうか。

■どうして渋滞が発生するの? 渋滞の謎に迫ってみる

通勤や旅行など、車の渋滞に巻き込まれると「前はどうなっているんだ!」とイライラすることも多いでしょう。それなのに、あるとき突然渋滞が解消されスッと進むようになり「今までの渋滞はなんだったの?」と驚いた経験はありませんか? このように、渋滞には不思議な点がいくつかあります。
そんな謎を研究するのが「渋滞学」。まずは、渋滞学の第一人者・西成活裕教授が掲げる「渋滞が起きる謎・原理」を参考に、なぜ渋滞が起きるのか考えてみましょう。

渋滞が発生する原理は「連鎖反応」にあります。同じ速度でも上り坂になれば自然にスピードは落ち、後続車もスピードを落とすためブレーキをかけます。さらに後ろの車もその後ろも……と、連鎖反応が起こり渋滞へと発展します。渋滞のきっかけを作った本人は、そんなつもりは毛頭なく、ちょっとした減速や車線変更をしただけ。
このような渋滞を発生させないために必要なのは、後ろの車に影響を与えるような運転をしないことなのだそうです。他人を思いやり譲り合う気持ちが渋滞を解消する手段というのは意外に感じますよね。

■世界には渋滞があふれている。一番渋滞が少ない生き物はアリだった!

世の中には車の渋滞以外にも、いろいろな渋滞が存在します。たとえば動物の群れや物流、ネット回線に関してもそうで、遅くなるというのは一種の渋滞だといえます。このような「流れの停滞」を統一して扱っているのが渋滞学です。

車の渋滞に関して言えば、人間の「私が先に行く!」という自分勝手な考えから引き起こされます。40キロもの渋滞の原因は、たった1台の車の割り込みだったという話も。これは車だけではありません。人間が歩くときにも似たような状況が起きているといえます。譲り合いの気持ちがあれば、起こらずに済んだイベントでの混雑や交差点の渋滞もあったかもしれません。

この考えにたどり着いた理由の一つが「アリ」の研究です。アリの行列は、少し混雑してくると前に詰めないように行動します。これは、西成教授がインドに出向き長年研究し観察した結果なのだそう。人間よりアリの方が、全体を見渡し考え行動をしている生き物なのかもしれません。

■渋滞学を他の分野に応用すれば、さまざまな場面で活躍する

渋滞学を応用して生活が便利になった例に、空港の物流ターミナルや入国審査の混雑解消があります。また、新装開店のお店の行列やトイレの混雑解消にも活用されています。これらは、人の流れと効率を良くして渋滞が起きにくい環境へ整備することによって、解決へと導いているのです。

それだけではなく、経営の改善や仕事の効率アップにも渋滞学が活用されることがあります。効率が悪く進まないことも一種の渋滞です。業務の流れを見直し、仕事の効率を良くすることで、結果的に仕事が速くなり業績アップにつながるのです。

このように渋滞学は、どんな分野にも応用可能な学問の一つだといえます。

そもそも渋滞学は、ソリトン理論(*)という数学の理論を応用したものです。
とはいえ渋滞学の場合、数学だけではなく物理学の知識も応用した中間的な研究分野で、流体力学に近いそう。流体力学は車や人の動きを流体と考え、数学の知識を応用して研究を進めていく学問です。興味を持った人は、数学や物理学を学んでみてはいかがでしょうか。これからの世の中の流れをスムーズにする発見ができるかもしれませんよ。

*ソリトン理論:空間的に局在する孤立した非線形の波動のこと。波形や速度を変えない性質をもつ。


【参考URL】
東洋経済ONLINE
http://toyokeizai.net/articles/-/6846