「無理な減塩」が体にかえって良くない理由 夏場の脱水症状を防ぐ「いい塩」の摂り方 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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7月も終わりに近づき、本格的な夏が到来しています。すでに列島各地で35℃超えの猛暑日が続くこの時期に、怖いのが熱中症です。熱中症になると体の水分がなくなり、脱水症状を引き起こします。その予防策としては、小まめな水分補給と適度な塩分摂取が欠かせません。

しかし、塩に限って言えば、摂取すればいいというわけではありません。塩とひと言に言っても、それぞれ特性があり、体にいい塩と、あまりオススメできない塩があるからです。

夏の暑さを乗り切るには、良質な塩を摂る必要があります。拙著『長生きできて、料理もおいしい! すごい塩』でも詳しく解説している、正しい塩の選び方や摂り方をご紹介しましょう。

■体にいい塩ほどミネラルを多く含んでいる
体にいい塩の基準とは、海水と同じミネラル分の割合を持つ塩です。もともと塩には、ミネラルが豊富に含まれていて、人間は生きるうえで一定のミネラルを補給しなくてはいけません。1日当たりの必要量が100mg以上のものは「必須ミネラル」と呼ばれ、体の構成成分になったり、生命機能や代謝などを維持したりと重要な役割を持っています。

このミネラルを多く含んでいるのが「海塩」「岩塩」です。とくにオススメは「わじまの海塩」(石川県輪島)と「ひんぎゃの塩」(東京都青ヶ島)です。

一方で、ちまたに流通している「精製塩」にはミネラルが含まれていません。海水からナトリウムだけを抽出して純度99%を超える塩化ナトリウムにしているためです。日本で昔から行われてきた「天日干し」や「平釜法」などによる塩の作り方と違い、機械を使って簡単に量産でき、価格も安く手に入りますが、ミネラルなどの栄養素を取り除いてしまっている分、健康の観点からはとてもオススメできない品質なのです。

よく医師が「塩分を摂り過ぎるのは体によくない」と減塩を促すことがありますが、これも適切ではありません。なぜなら、こうした「減塩ブーム」は、食事が近代化するに伴い、増え続ける高血圧や心臓病の“スケープゴート”(身代わり)としてつくられたものだからです。

実際、1984~1997年にかけて疫学と社会医学会会長を務め、1996~1998年まで米国高血圧学会の会長職を務めたアルダーマン博士が、世界中で21万人もの大規模な生活調査をして、「塩分と高血圧や寿命の短さは関係ない」ということを突き止めた研究結果があります。ですが、減塩を否定する論文を提出した途端に学会誌への掲載拒否や、いわれのない批判を受けるようになるなど、発言を続けることが困難になったことがあります。

■塩を控える高齢者ほど、脱水症状に陥ってしまう危険大
あまり公には言われていませんが、過度な減塩は命にかかわる危険を伴うのです。たとえば、塩の摂り過ぎは血圧を上げるとたくさんの人が信じていますが、これは逆を言えば、塩の主成分であるナトリウムが血圧を維持しているということです。つまり、無理な減塩をして必要なナトリウム量が得られなくなってしまうと、生命維持に必要な全身に血液を巡らせるための血圧を保てなくなってしまいます。

特に高齢者は健康のために塩を控えることがありますが、これはかえって健康に良くありません。塩を摂らないことで、喉の渇きを感じにくくなってしまい、脱水症状に陥るケースがあるからです。夏に減塩を意識し過ぎてしまえば、脱水症状に拍車をかけてしまいます。塩を摂ってこそ、脱水症状を防ぐことにもつながるのに、これでは本末転倒。本当は年齢を重ねていればいるほど、塩を制限するのではなく、上質なものを摂取するようにしていく必要があるのです。

■脱水症状を防ぐには、水分補給と塩分摂取の両方が大事
夏になると、コンビニのドリンクコーナーに塩をプラスした清涼飲料水が多く並びます。これも実は塩分の摂取が体に非常に重要であり、脱水症状を防ぐのに、塩が効果的なことを証明しているからです。

まず体にいい塩を摂り、暑さに負けない体づくりが大切です。暑い時期は、屋外はもちろん、屋内でも脱水症状になりやすいため、くれぐれも熱中症になって、脱水症状で倒れないよう、小まめな水分補給、塩分摂取を心掛けましょう。