なぜ疲れがとれない? 栄養士が教える“疲労回復”のために必要なこと | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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■疲れが抜けないその理由
毎日忙しくしている現代は、慢性的な疲れを感じやすい環境にあります。眠っているはずなのに疲れが取れない、朝起きた瞬間から疲れている、そんな方も少なくないでしょう。

こういった疲れの原因として挙げられるのは、下記のような内容です。

・過労や睡眠不足
・不規則な生活
・精神的なストレス
・栄養のバランスが悪い
・インフルエンザ等の疾患で体調が悪い

インフルエンザ等の疾患での体調不良は、その疾患を治すことで疲労感が回復します。しかし、それ以外では生活習慣自体を改善する必要があり、なかなか一筋縄ではいかないもの。きちんと改善に向けて努力するためには、なぜ食事が疲労回復に繋がるのか、腹落ちする理由が欲しいですよね。なので、まずは疲れのメカニズムから詳しく見ていきましょう。

■疲れのメカニズム
ヒトは食べたものを燃焼させることで、生きるためのエネルギーを作り出しています。食事をすると身体の中ではさまざまな生理的反応が起こりますが、その際の触媒になるのがビタミンやミネラル。これらが不足すると、反応が先へ進めないため、エネルギー源は蓄積しやすい脂肪の形に変換されてストックされます。

一方、身体は脂肪を必要なものとしてストックしているはずなのに、溜め込みすぎると「腫れている」と勘違いするのか、通常より多くの「炎症物質」を出してしまいます。この炎症物質が蓄積すると、全身倦怠感・微熱・筋肉痛などと、抑鬱・思考力低下などの精神症状が出るとされています。

そのため、休息と併せて、食事に留意して必要以上の脂肪細胞を体内に溜め込み過ぎないようにすることが不可欠なのです。

■疲労回復に向いているのはビタミンC、アミノ酸
耳タコかもしれませんが、まずはなんといっても規則正しい食事が基本。1日1食だと食べすぎが防げるという考えの方もいるようですが、ビタミンやミネラルなどの必要成分が不足しやすくなります。1回ごとの食事量を減らして1日3食、時間を決めて食べることが何よりも大切です。

食事の内容は栄養のバランスを考えると「定食スタイル」がもっとも適しています。「定食スタイル」とは主食(ご飯orパンor麺)・主菜(肉or魚or卵or豆腐)・副菜(野菜料理)の3種類が揃っていること。どれか1つでも欠けてはいけません。

よく「野菜中心に食べています」と言われる方がいらっしゃいますが、野菜ばかりでも栄養のバランスは崩れます。野菜を意識して多めに食べることはよいことですが、ご飯やお魚をおろそかにしてはいけません。

栄養成分としてはビタミンC、アミノ酸(とくに分岐鎖アミノ酸やイミダゾールジペプチド)などが疲労回復に役立つといわれています。ビタミンCを多く含む果物(柑橘類に特に多い)や野菜(ピーマン・キャベツ・ブロッコリ・カリフラワーなど)を多めに食べることや、適量の良質なアミノ酸を含む肉・魚・卵などを毎日食べることが大切です。

あまりオススメはしませんが、一時的にでも疲労を解消したい場合には「糖分補給」も有効です。特に、甘味の強い糖類に即効性があります。具体的には、チョコレートやクッキー、まんじゅうなどが効果的です。

しかし、こうした甘いものはあくまで「カンフル剤」です。あまり多用してしまうと、クセになってしまい肥満を助長するので気をつけてください。

■疲労回復のために必要なこと
疲労には大きく分けて2種類あります。激しい運動を行った後の肉体疲労と精神的な疲れによる疲労です。食事でこのどちらの疲労もある程度カバーできるのですが、それだけでは限界もあります。

そこで、疲労の仕方に見合った解消方法を行うことが大切です。

肉体疲労の場合は、何よりも身体を休めることが大切です。この場合、横になってTVを観る、読書をするなどの対応がよいと思われます。

精神疲労の場合は、スポーツをする、散歩に行くなどして身体を動かすことが疲労回復につながります。精神疲労の場合は身体が疲れているわけではないので、TVを観るなどしてゆっくりしているようでも、心が急いてしまい、疲労回復につながらないのです。

また、まずは疲労をためないということも、よりQOLを高めます。心も身体も生き生きとした生活を送ることができるよう、食生活以外の生活習慣も見直したいものです。


文・平井 千里(All About 食と健康)