一般道の最高速度って時速60キロじゃなかった? | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 運転免許証を取得した人ならご存じだろうが、自動車が制限速度の標識や標示がない一般道路を走る場合の最高速度は、道路交通法施行令で時速60キロと定められている(第3章第11条)。

 ところが実際は、標識や標示によって70キロや80キロに引き上げられている区間がある。「設計速度が時速60キロ以上」「上下線分離」「歩行者・軽車両・原付き自転車は通行止め」などの条件を満たす、自動車の通行機能を重視した構造になっている一部の道路だ。

 そもそも規制速度は指定速度といわれるもので、道交法に基づき、その判断は各都道府県の公安委員会に委ねられている。

 日本で初めて最高速度を80キロに引き上げたのは栃木県だった。2005年11月8日14時から宇都宮市の国道119号(宇都宮北道路)の一部、7.7キロの区間が60キロ→80キロになった。その理由は……。

「交通実態に応じた規制を実施するためです。具体的な理由としては、まず道路構造上、時速80キロが可能であること。次いで開通以来、法定速度60キロで規制していて重大事故の発生がない区間だったからです」(栃木県警察本部警務部県民広報相談課)

 栃木県ではその後、12年3月14日正午から宇都宮市と真岡市を結ぶ国道408号バイパス(鬼怒テクノ通り)の一部(7.7キロ)が60キロ→80キロに。さらに、今年11月13日正午には上下線合わせて4.5キロ延長され、全体では12.2キロとなった。

 国道119号の最高速度を20キロ引き上げたことによる事故の増減は、「当時の統計が残っていないので比較できません」(同課)。とはいえ、国道119号の最高速度を引き上げた05年以降に重大事故が起こっていたら、国道408号の速度引き上げも区間延長も実現しなかったはず。

■諸外国の最高速度は?

 ちなみに、60キロ→70キロに見直された一般道路は全国にある。

 一例として、北海道の国道337号(道央圏連絡道路)の新千歳空港ランプ~中央ランプ間では11年3月25日から、上り(新千歳空港方面)7・95キロと、下り(長沼町方面)7.55キロで実施(上下線とも60キロ規制を挟む)。今年7月30日からは、国道40号の上下線の一部、それぞれ3.7キロ区間でも実施されている。

 こうした規制速度の見直しは、今後、広がりを見せるだろうか。自動車ライター・佐藤あつし氏に聞いた。

「道交法は基本的に、“スピードを出させない”よう規制しています。日本には昔から“スピード=悪”という考えがあるので、最高速度を80キロに引き上げた栃木県警の試みは英断といえます。ただし、国内で広がるかとなると疑問です。鬼怒テクノ通りは開通当初から歩行者や自転車、125㏄以下の二輪車の通行が禁止されている、いわば高速道路のようなものだから可能だったわけです。人や原付きなどが混在する一般的な国道では、まず無理でしょう。さらに重大事故などが起きれば、公安委員会の人たちも、おそらくスピードをコントロールしようとするでしょう」

 諸外国はどうか。

「ほとんどの先進国では、同じ一般道でも、規制速度が郊外と市街地で区別されています。例えば、ヨーロッパでは郊外の流れのいい道路などは、70~80キロでガンガン連続走行します。ところが、郊外から村や街に入る地点にはバンプという凸凹の段差があり、強制的に30~40キロに減速させられます」

 自動車性能も道路構造も日進月歩。日本でもメリハリの利いた速度規制が必要だろう。