嘘だらけのダイエット 単品、カロリー、糖質ゼロ…白米と砂糖は食べていけない? | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 相も変わらぬダイエットブームですが、この言葉の本来の意味を考えると、ブーム自体を嗤ってしまいたくなります。ダイエットという言葉をインターネットで検索すると、約8550万件も出てきます。もちろんそのすべてを見たわけではありませんが、ダイエットを正しい意味に解釈しているサイトは、おそらく数えるほどしかないでしょう。

 ダイエットはいわば「健康的な食事のシステム」という意味です。アメリカの医師と管理栄養士が協力して開発した、超肥満者向けの食事プログラムがダイエットだったのです。その後、健康的な食事を目指す一般の人の間でも取り入れられるようになり、本格的にダイエットが研究、実践されるようになっていったのです。日本でダイエットを初めて取り上げたのは女性誌だといわれています。その時にセンセーショナルに取り上げたかったのでしょう、ダイエットを「痩せるための方法」のように紹介してしまったのです。それから数十年を経て、その女性誌の思惑は見事に成就し、ダイエットといえば痩せるための方法と、誰もが思うようになってしまったわけです。

 本来の意味を考えると、単品ダイエットなんていかに愚かなことかがわかりますよね。バナナだけ食べていて健康になるはずがないし、ましてやチョコレートを食べることが健康的な食事のシステムなどと、余程ものを知らない人しか信じるはずもありません。いわんや、本音はサプリメントを売りたいだけなのにぐだぐだと御託を並べてダイエットを謳っている人々や、いつまでも「カロリー計算が大事」と言い続けている人々には、くれぐれも騙されたりしないように注意してください。

●穀物と豆類で食事全体の45%が最適


 ダイエットの要諦は、食べる量の調節ではなく、食べるものの質に着目する、ということです。炭水化物を摂ることがいけないのではなく、どのような炭水化物を摂るのかということが問題なのです。

 筆者は、長年にわたって、著書や講演活動などを通じて、自説を訴えてきましたが、その中心に据えているのが「オプティマルフードピラミッド」というものです。「オプティマル」というのは「最適な」という意味です。つまり、私たち人間にとって最適な食事のあり方を、ピラミッド型に表した独自の食事の方法論が、オプティマルフードピラミッドです。

 この考え方のベースの部分は、穀物と豆類で食事全体の45%を占めるというところにあります。それも穀物「2」に対して、豆類が「1」という割合で食べるのがベストです。これは量のことではなく、バランスのことをいっています。そして、その穀物と豆類は、複合炭水化物から摂るべきだ、としています。複合炭水化物とは、精製されていない穀物や豆類のことです。米でいえば、白米ではなく玄米、またはそれに近い状態の、三分づき米くらいまでが複合炭水化物と呼べるものですし、豆類では、プロテインのように精製されたものではなく、ホールの状態の豆を食べることが基本です。

 一方、砂糖や、白米、白い小麦粉のように精製された炭水化物は、単純炭水化物、または単一炭水化物、精製炭水化物と呼ばれます。この単純炭水化物には、カロリーはありますが、他の重要な栄養素は欠落しています。ですので、この単純炭水化物を食事の中心に据えてしまうと、欠落している栄養素を補わなくてはならず、健康的な食事の組み立てが難しくなってしまいます。結果的に、必要としている栄養素を摂取するために、本来なら食べなくていいものまで食べることになってしまうのです。これでは、本来の意味のダイエットから遠ざかってしまうばかりです。

 本連載では、私たち現代人が、どのような食生活を送るべきなのかをお伝えしていこうと思っています。読者の方々にご興味を持っていただき、読後にご自分の生活の中に取り入れていただけるような情報を提供していきたいと思っておりますので、どうぞ今後もお付き合いくださいますよう、お願い申し上げます。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

●南清貴(みなみ・きよたか)
フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事、国際食学協会名誉理事長。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、からだと食の関係の重要さに気付き、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。