http://apital.asahi.com/article/tsushinbo/2013040900008.html
【大岩ゆり】 のど仏の下にあるハート形の臓器、甲状腺。ここで作られるホルモンが不足する「甲状腺機能低下症」は、うつ病や認知症など他の病気と間違われることもあるので注意が必要です。
甲状腺ホルモンは、全身の新陳代謝を活発にする働きがあり、不足するとさまざまな症状が出る。体がだるい、何もする気にならずに家で一日中じっとしている、物忘れが激しくなる、などのようなうつ病や認知症とよく似た症状が出ることも少なくない。
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本当は甲状腺機能低下症だったのに、うつ病や認知症と間違って診断された――。虎の門病院の宮川めぐみ内分泌代謝科医長は、こうした患者を診察した経験がある。何種類も抗うつ剤を飲んだが、症状は改善しないため、精神科病院に数カ月入院していたというケースもあった。
甲状腺ホルモンの不足は脂質の代謝や肝臓の働きも低下させる。そのため、血中コレステロール値が高く2年間も高脂血症の治療を受けていた患者や、肝臓病