ホルモン補充で改善 我慢せず専門医に相談を 更年期の乗り切り方 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 女性は閉経を迎えると、個人差はありますが、ほとんどの方が全身ののぼせ(ホットフラッシュ)、イライラや精神的な落ち込み(うつ状態)など日常生活に影響をおよぼす不快な状態に陥ります。豊臣家の淀君がこのような更年期障害のピークであったため、周囲の人心を失い関ケ原の合戦以後の豊臣家滅亡の原因になったとの説は有名です。歴史を振り返ると、この他にも中心的な女性が更年期障害のため政変を乗り切れなかったと考えられる例がいくつか知られていますが、もし女性ホルモン剤が存在していたら、歴史が大きく変わったはずです。

 閉経とは「卵巣の女性ホルモン産生能が消失し、永久的に月経が停止すること」です。「女性ホルモンの減少がもたらす不快な症状」が更年期障害です。したがって、更年期や閉経後の老化に伴うトラブルを防ぐためには、この女性ホルモンを補うことが重要です。女性ホルモンの低下によって現れる症状は、淀君が登場する多くの読み物に具体的に書いてあります。

 ホットフラッシュ、発汗、冷え、動悸(どうき)、不安感、イライラ、うつ状態が主ですが、肩こり、関節痛、腟(ちつ)乾燥感、性欲低下、しびれ、知覚異常もその一つです。このような不快な症状は女性ホルモンを補充すると、速やかに劇的に改善します。効果が見られない場合には、更年期症候群以外の原因を考えなければならないほど、有効な手段です。

 なぜ女性ホルモンが女性をみずみずしく女らしくするのでしょうか? これは女性ホルモンが細胞分裂を促し、体を若々しい状態に保つからです。女性ホルモンの化学構造は女性のシルエットそのものです=図=。その一方で細胞増殖を盛んにすることは、癌(がん)の発生と密接に関係します。しかし、更年期症候群改善に使う量ではまったく問題になりません。更年期障害は全女性が一度は通過する壁です。我慢する必要はありません。更年期を快適に乗り越えましょう。

 日本人はホルモン剤を嫌う傾向があります。また、乳癌や子宮体癌などの女性ホルモンに関連した癌の治療中の方は女性ホルモン剤を使用できません。このような方には、ホルモン剤ではない優れた治療薬がいくつかあります。内分泌専門医に気軽にご相談ください。繰り返しますが、更年期のつらさを我慢する必要はありません。

 (松波総合病院腫瘍内分泌センター長・羽島郡笠松町田代)