肥満を防ぐ食事の順番 まずは野菜を先に食べる | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 食欲の秋。「また太っちゃうなあ」と悩ましい人に朗報です。食事のとき、まずは野菜から食べる――。これを意識するだけでも、肥満予防に役立つのだとか。糖尿病の治療で成果を上げている方法だそうです。

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 実践法は簡単。サラダでも煮物でも、まずは野菜のおかずを先に食べきる。肉や魚、ご飯などは、そのあとにするだけ。

 東京逓信病院(東京都千代田区)でメタボ・肥満外来を担当する宮崎滋内科部長は「野菜の食物繊維が先に入ることで、小腸での糖の吸収がゆっくりとなって、血糖値が急上昇することを防ぎます」と説明する。

 食後の高血糖が要注意なのは、糖尿病と診断された人だけに限らない。空腹時は血糖値が正常でも食後だけ上がるというタイプの人は、一般の人より動脈硬化のリスクが高まるという国内外のデータがあるそうだ。

 「血糖値の上昇が緩やかなら、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌量も抑えられ、肥満予防にもなる。インスリンには、糖を脂肪として蓄える作用もあるからです」

 食物繊維は胃で膨らむため、満腹感が早めに得られる。あとから食べる炭水化物の量が自然と減って、摂取エネルギーの総量も抑えられるという。

 繊維が豊富なきのこ類や海藻類も、おすすめ。時間差がないまま、炭水化物が小腸に届くと効果が減ってしまので、よくかんで食べ、早食いは控えよう。

 宮崎さんは「ただ、野菜を先に食べたからといって、おかずやご飯などを大食いしては意味がないどころか、糖尿病や肥満を悪化させる」と釘を刺す。

 梶山内科クリニック(京都市)院長の梶山静夫さんらは、糖尿病の患者15人に、ご飯と野菜サラダを順番を変えて食べてもらった。野菜から食べたときのほうが、食後の血糖値の上昇は緩やかで、インスリンの分泌量も少なかった。

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 梶山さんは04年の開業以来、糖尿病患者に食べる順番を指導している。その結果、血糖値のほかに血圧やコレステロール値、肥満指数BMIなどにも改善が見られるという。

 特徴的なのは、野菜のあとの順番も決めている点だ。野菜のあとは、たんぱく質のおかずを食べきってからご飯を食べる。

 「最も血糖値を上げるご飯やパン、麺類などの炭水化物は最後のほうが、より効果的だろうと考えています。味気ないなら、おかずを少し残しておいて一緒に食べてもいいでしょう」

 野菜は一日400グラムが目標。野菜を食べ始めてから、次のおかずを口にするまで5分~10分ほどかけるよう勧めている。

 管理栄養士で大阪府立大の今井佐恵子教授は「コンビニのおにぎりで済ませるときも、サラダやお浸しなども買って最初に食べる。無理なら野菜ジュースでも。厳密に考えすぎずに続けてほしい」と助言している。(内山美木)

 ◆インフォメーション

 カロリー計算による食事療法で、挫折する患者を多く見てきたという梶山さん。「従来のやり方を否定はしないが、続けられなければ意味がない。まずは食べる順番を変えることから始めてみては」。梶山さんと今井さんの共著「糖尿病がよくなる! 食べる順番療法」(新星出版社)には、自宅で役立つレシピも載っている。