http://www.cnn.co.jp/fringe/30003729.html
(CNN) 世界各地の動物の生息域が、予想を超えるペースで緯度や標高のより高い場所へ移動しているとの研究結果を、科学誌サイエンスが18日、公開した。
研究は英ヨーク大学と台湾中央研究院の専門家らが実施し、同誌最新号に発表した。それによると、1970年代以降、さまざまな種類の動物が、10年間に平均17キロメートルのペースで赤道と逆方向、または標高の高い方向へ移ってきたことが分かった。
この傾向は、地球温暖化によるとみられる気温の変動が大きかった地域ほど目立ち、因果関係が明確になったと、研究者らは説明している。
研究を率いたヨーク大学の生物学者、クリス・トーマス氏によれば、対象となった約1500種のうち、4分の1は生息地が破壊されたり農地などにさえぎられたりした結果、赤道方向への移動を強いられた。しかし全体にみて、動物は暑い場所から逃れるように動いていることが確認された。
北米西部に生息するナキウサギは高地に追いやられ、ボルネオ島キナバル火山のシャクガは60年代半ばの報告から67メートルも上方へ移動した。研究者らは「他に逃げる先がなく、近い将来絶滅してしまう可能性が高い」と懸念を示している。