http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_soc&k=20110623027200a
【シドニーAFP=時事】オーストラリア・シドニー郊外の図書館から1889年に借り出されたままとなっていた英自然科学者チャールズ・ダーウィンの著書がこのほど、122年ぶりに「返却」された。(写真は英ケント州にあるダーウィンの家)
この本はダーウィンの「食虫植物」初版本で、引退した獣医ロン・ハイン氏が約50年間にわたり所有し、先月シドニー大学に寄贈した蔵書の中にあった。大学が、本に貸し出し印が押されていることに気付き、図書館に返却した。本は近く、「貸し出す」のではなく一般に公開される予定だ。
ハイン氏は、どうやってこの本を手に入れたのか分からないとし、1950年代に他の獣医かシドニー大学の研究者にもらったのかもしれないと指摘。「本がどこから来たのか、どれだけ長い間所有していたのかについて頭を悩ませていた」と述べる一方で、本が再びみんなの元に戻って喜んでいると語った。
地元当局者によると、この本はその古さにもかかわらず保存状態は極めて良好。ただ、現在どれほどの価格になるかの調査は行っていない。120年余りにわたる「延滞料」は推定で3万5000豪ドル(約300万円)に上るが、請求は断念したという。
同当局者は「本が図書館にずっとあったら、読者の評判がよくないと処分されていた可能性もある。1889年に借りたまま返し忘れたうっかり屋さんは図書館に恩恵を施してくれたのかもしれない」と述べている。 〔AFP=時事〕(2011/06/23-19:57)