やってみた禁煙(2)たった1本で逆戻り | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 禁煙で最も苦しいのは開始直後の数日間と言われる。記者の場合、時折、強い喫煙欲求がわき起こるものの、禁煙補助薬を使ったせいか、比較的楽に乗り切った。

 気を良くして、さらに励むこと2週間。気がつくと肌つやが良くなり、歯も白くなってきた。食べ物を以前よりおいしく感じるようになり、他人のたばこの煙が嫌になりさえした。

 だが3週間後、とある酒席で見事に落とし穴にはまった。「1本だけなら大丈夫」と油断して、喫煙者からたばこをもらったのがきっかけだ。翌日から「もう1本」が始まり、たちまち元のもくあみと化した。

 「たった1本でも、いったん閉じた脳の『喫煙回路』が開いてしまう」と、高橋裕子・奈良女子大教授は話す。7年間禁煙していた人が再喫煙した例もあるというから怖い。この油断を、高橋さんは「ニコチンの反撃」と呼び「今、その1本を吸わないことが大切」と戒める。

 昨年10月1日のたばこの値上げを機に製薬会社ノバルティスファーマが実施したアンケート調査では、禁煙に挑戦した人のうち、4人に1人が結果的に喫煙を再開している。継続は難しい。

 「吸ってしまったことは仕方がない。マラソンの途中で転んだと思って再チャレンジを」と、高橋さん。禁煙に戻る意志だけは、強く持ち続けたい。(原田信彦)

(2011年2月4日 読売新聞)