http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=36148
体を温かく保つ衣服の着方も、冬の室内を快適に過ごすポイントだ。暖かい部屋から寒い部屋への移動が多いと、体の深部の体温を維持しようと末梢(まっしょう)血管が収縮し、手足の温度を低下させ冷え性にもつながる。
冷えに悩む患者を多く診る麻布ミューズクリニック院長の渡辺賀子(かこ)さんは「体の冷えを防ぐ第一歩は内臓のある胴回りを常に温かく保つこと。空気の層を作って保温性を高める重ね着が有効です」と話す。
まず肌着は通気性や保温・吸汗性に優れた薄い素材を選ぶ。胴回りを覆う腹巻きも活用したい。さらにタートルネックやセーター、カーディガンなどを羽織るとよい。
ただし、「厚着をし過ぎると、汗をかいて体を冷やし風邪の原因にもなります」と渡辺さん。室内では、体を締め付けない前開きの服など脱ぎ着しやすいものを重ね着することがポイントだ。暖房で暑くなったら、上着を脱ぎ着して調整する。
最も冷えやすいのが手足だ。下半身は保温性があって風を通しにくいレギンスやウールのパンツなどがお薦め。袖口に指を通すための穴の開いたセーターを着たり靴下の二枚ばきを取り入れたりしたい。
首回りや肩などが露出していると熱が逃げやすい。薄手のストールやスカーフで体の露出部分を減らすのも大切だ。全身をぽかぽかにして過ごしたい。(岩浅憲史)
(2011年1月29日 読売新聞)