女性と漢方(3)不妊 体力の不足補う | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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 漢方で効果が期待される分野に「不妊治療」がある。高度な治療を行っても、妊娠できない人が必ず存在するためだ。

 南多摩病院(東京都八王子市)産婦人科の村田高明医師は、長く不妊治療も行ってきた。「子宮癒着などの器質性の不妊は別として、ホルモン異常による不妊や原因不明の場合などには、漢方を試す価値はある」と話す。

 村田さんの治療ではまず、冷え症や太りすぎ・やせすぎ、自律神経失調症などの症状を治し、「妊娠できる体」を作る。併せて不妊の原因を取り除くことを目指す。

 南多摩病院で治療した1990年~2002年の村田さんのデータによると、3150人の女性のうち、妊娠したのが900人。妊娠時に服用していた漢方薬は、冷え症の治療にも使われる当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)のほか、排卵誘発剤と似た効果を持つ温経湯(うんけいとう)、不眠など精神的な症状を改善する加味逍遥散(かみしょうようさん)が多かった。

 「不妊の女性は冷え症で、ストレスを抱える傾向も強い。ストレスは精子の数を減らし、男性の不妊にもつながる」と村田さん。精子の運動率を高める「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」を処方することも多いという。「不妊の根本には男女とも体力不足があると思う。『力を補う』漢方こそ、現代に適した治療では」と指摘している。(針原陽子)

(2010年5月22日 読売新聞)