あかつき待つ金星の「謎」 解明へ関係者「ドキドキ」 | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

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http://www.asahi.com/science/update/0521/SEB201005210012.html

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 天を突くような航跡を残し、ごう音とともに日本初の金星探査機が宇宙へ旅だった。21日朝、鹿児島県種子島から打ち上げられたH2Aロケット17号機。相乗りしていた宇宙帆船の実証機や大学開発の小型衛星などユニークな衛星も、「ほぼパーフェクト」(三菱重工業)で宇宙に届けられ、関係者は喜びに包まれた。

 21日朝、H2Aロケットで宇宙へ飛び立った「あかつき」が目指すのは、金星の「気象衛星」となることだ。成功すれば「日本初の惑星探査機」(宇宙航空研究開発機構)になる。打ち上げを見届けた関係者は「これからが本番」と表情を引き締めた。

 金星には1960年代以降、旧ソ連や米国の探査機が何回も行っているが、硫酸でできた分厚い雲に邪魔され、大気の観測データは不足している。上空の広い範囲で吹き荒れる、秒速100メートルもの強風が最大の謎だ。

 あかつきは、この風速に合わせて金星上空を飛びながら、5台の特殊なカメラで大気の細かな動きを観測する。

 プロジェクト責任者の中村正人さんは打ち上げ後、「金星の気象がわかれば、地球の気象ももっとわかる。太陽電池パネルの機能などをこれから確認するので、ドキドキしている」と語った。

 ロケットに相乗りした宇宙帆船の実証機「イカロス」は金星よりさらに遠く、木星探査へ乗り出すための布石だ。宇宙航空研究開発機構は、2010年代後半の実現を目指している。

 一辺14メートルの正方形の「帆」に太陽光の圧力を風のように受け、加速できることを確かめる。燃料いらずで長旅に有利と期待されている。

 開発に携わった宇宙機構の森治さんは、打ち上げ後の記者会見で「宇宙帆船のアイデアは100年くらい前からあったが、実現されていなかった。ぜひ、世界初の実証をやり遂げたい」と話した。

 帆が広げられるのは、打ち上げから2、3週間後の予定だ。(安田朋起、小宮山亮磨、城真弓)