http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000000909280002
より
10月1日の「日本酒の日」に、大阪市内で居酒屋を経営する店主たち11人が、珍しい蔵元の酒を試飲できるイベント「日本酒ゴーアラウンド」を企画している。事前に購入したバッジを付けて店を訪れると、各店で日本酒1杯が無料で飲める。蔵元からやって来た杜氏(とう・じ)も店にいて、日本酒談義を交わすこともできる。ファンにとっては、秋の夜長の「はしご酒」が楽しめる絶好の機会になりそうだ。(新井義顕)
企画したのは「味酒(うま・ざけ)かむなび」(同中央区内久宝寺町2丁目)の伊戸川浩一さん、「酒や肴(さかな) よしむら」(大阪市北区天神橋1丁目)の吉村康昌さん、「蔵朱(くら・っしゅ)」(同中央区南新町2丁目)の大西正哉さんら、いずれも39歳の若手店主3人=写真、左から。3人は日本酒の愛好グループ「日本酒卍(まんじ)固め」のリーダーで、「個性あふれる蔵元が造った、新世代の日本酒の素晴らしさを知ってもらいたい」と、昨年2月にグループを結成した。プロレス技にちなんだ名前は「はまると抜けられない……」という意味を込めている。
以来、客や知人と一緒に西日本の蔵元見学をしたり、推薦する日本酒を味わってもらう「屋台村」などを企画したりしてきた。「ゴーアラウンド」は世代が近い仲間の店主らを巻き込んで、昨年からスタートした。
1回目は7店が参加して7銘柄を用意、350人が参加した。今年は約800人の参加を見込む。バッジは1個500円で、事前に参加店で購入。当日、各店には「七本槍(しち・ほん・やり)」(滋賀県)、「天野酒(あま・の・ざけ)」(大阪府)「鷹勇(たか・いさみ)」(鳥取県)など1~2銘柄が用意され、1杯(約半合)は無料だ。全店で13種類の日本酒が用意される。
日本酒造組合中央会によると、日本酒の消費量は75年度をピークに下降を続け、07年度の消費量は約66万キロリットル。ピーク時の約4割で、焼酎の消費量と比べても約7割程度まで落ち込んでいる。
ただ、ここ数年は焼酎ブームも一段落したほか、昨年の金融危機による不況の影響から、単価が比較的高いワインより、一杯ずつ注文できる日本酒に再び注目が集まってきているという。また、次世代の若い経営者が運営する個性あふれる蔵元が登場しているのも特徴だ。吉村さんは、「グルメなアラサー、アラフォーの女性客が、個性的な日本酒に目を向け始めている」という。
「日本酒ゴーアラウンド」の参加店などの情報は「日本酒卍固め」のホームページ(http://manji.atukan.com/index.html/)で。