厚生労働科学研究成果データベース① | 勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

勇者親分(負けず嫌いの欲しがり屋)

変なニュース面白いニュース、野球、サイエンス、暇つぶし雑学などなど

http://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIST00.do


脊髄空洞症

研究目的:
本研究班はALS、球脊髄性筋萎縮症SBMA、脊髄性進行性筋萎縮症SPMA、パーキンソン病PD、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病HD、脊髄空洞症を対象として、以下の遂行を目指す.1)根治療法開発を目指した基礎研究の継続2)対症療法の開発と改善3)調査研究の実施4)最適の診断基準の確定、正確な機能評価方法の確立
研究方法:
1.プロジェクト研究(1) Japanese Consortium of ALS (JaCALS)においてALSの臨床・遺伝子情報の集積を継続した. (2)家族性と孤発性ALSでTDP-43とSOD1との遺伝子変異頻度を調べた.(3)個票にてALSの実態を調査した.(4)原発性側索硬化症PLS、SBMA、SPMA、有棘赤血球舞踏病ChAの治療研究事業疾患への指定を目指した.(5)AADC遺伝子搭載AAVベクターをPD患者の被殻に注入する遺伝子治療臨床研究第I/II相を実施した.(6)PDのリスク遺伝子変異の探索した.(7)UHDRS日本語版の信頼性検定の準備を進めた.2.個別研究:班員はプロジェクト研究に参画し、個別研究課題を遂行した.
結果と考察:
1.プロジェクト研究(1) JaCALSには17施設が参加し、ALS251例以上、対照104例以上が登録された.さらに多数例の集積によりALS症候に関わる因子や病態の解明につながることが期待される.(2) 遺伝子変異は、FALS中のTDP-43では3.3 %、SALS 中のSOD1では1.63%に見られた.ALSの治験ではこれらの変異例を除外する必要があると思われる.(3) 個票調査ではALS患者の増加と重症化の傾向が認められた.今後の追跡が必要である.(4) PLSとChAが治療研究事業対象疾患に指定化された.研究への更なる注力が望まれる.(5) PD遺伝子治療第I/II相は予定症例6例に於いて無事終了した.今後、多施設共同研究が予定されており、新規治療法として期待される.(6) GBA遺伝子の変異ヘテロはPDの危険因子と判明した.今後も新たな危険因子遺伝子が同定されるものと思われる.(7) PSP患者・家族向けに「進行性核上性麻痺診療とケアマニュアル」を作成し広く配布した.介護に活用されるものと思われる.(8) UHDRS日本語版の信頼性検定の工程表を作成した.2009年度中に検定終了予定で、治験の体制が整うことになる.2.個別研究:目的達成に近づくための多くの成果が得られた.
結論:
プロジェクト研究、個別研究の実施により目的に一歩近づいた.

とか

中枢性摂食異常症

研究目的:
本調査研究の目的は、中枢性摂食異常症の成因・病態に関する基礎研究と臨床研究を組み合わせて本症の新しい対処法・治療法の開発を推進することである。
研究方法:
研究目的の達成のために、分子生物学あるいは発生工学的手法を駆使した中枢性摂食調節機構に関する基礎研究、中枢性摂食異常症の病因・病態解明のための基礎研究と臨床研究、臨床現場に有効な対処法・治療法に関する臨床研究を推進した。
結果と考察:
基礎研究では、カロリー制限とリバウンドにおける生体反応、特に骨格筋萎縮の分子機構に関する検討、中枢性摂食異常症におけるCRFや神経ヒスタミンあるいはグレリンの病態生理的意義に関する検討、代表的な中枢性摂食調節因子であるレプチンの感受性に関する検討を進めた。臨床研究では、ビュッフェ形式の食事摂取における心理テストや摂食関連ペプチドあるいは空腹感・満腹感を指標とした健常女性の1回食事量に影響を与える身体的・心理的因子に関する検討、アクチグラフを用いた摂食障害患者の過活動・排出行為などの代償行動の実態調査に向けた健常人における検討、人工股関節置換術周術期への投与臨床試験におけるグレリンの体組成、エネルギー代謝に及ぼす影響に関する検討、小児・思春期摂食障害における成長障害の実態調査、本症患者家族に対する心理教育用DVD vol. 2の作成を進めた。摂食障害のプライマリケアを援助する基幹医療施設のネットワーク形成を目指して、主任研究者と分担研究者以外に4施設の心療内科あるいは小児科専門医に研究協力者として参加を得てワーキンググループを立ち上げた。日本学術会議主催公開講座(気をつけよう!若い女性の「やせすぎ」)に参画し、一般市民の啓発活動を積極的に行った。
結論:
臨床現場において有効な中枢性摂食異常症に関する対処法・治療法の開発を目指して、本症の成因・病態に関する基礎研究と臨床研究を推進した。基礎研究により、中枢性摂食調節の分子機構、中枢性摂食異常症の病因・病態の分子レベルの解析が進んだ。一方、中枢性摂食異常症の病因・病態の臨床的理解が進み、グレリンの代謝調節作用や小児・思春期摂食障害における成長障害の実態など本症の成因・病態と治療薬開発に有用な情報が得られた。本調査研究の研究成果は、一般市民の啓発活動や新しく企画したワーキンググループを通して普及していきたい。

とか

②につづく