忘れられない、木洩れ陽のなかのふたり。
いつもは笑わないらしいきみが、顔を輝かせた。
どうしたら再びこのような陽ざしが降り注ぐのかを、私は知らない。
厳しい現実のなかでも、このように自由にふたりは歩いていた。
言葉たちはまるで、ガラス玉だった。
繊細で美しく透きとおっていて、私たちを無数に取り囲んだ。
愛になる前の言葉たちの数々。
あるいは、恋になる前の言葉たちが見せる表情。
その神秘に映り込んだ私たちは、閉じ込められてしまうかのよう。
瞬間の生命のあかるさが、ここにある。
どうか壊れていかないで、と願う私がいた。
聡明さにきみは苦しめられていた。
やさしさのなかで、私たちはいつしか融けあうガラス玉そのものになっていく。
言葉たちよ、消えないで私たちのすべてを護れよ。
これは言葉たちへの尽きない祈りに似た、深緑の夢まぼろし。
まだ名も与えられていない場所を、通り過ぎていく私たち。
それでもきみの、夢を内包するように優美な歩調。
やわらかな木洩れ陽の世界で、きみは唯一私に語りかけていた。
それがあとから、心に仕舞いきれないほどの宝物になる。
