11月6日

メキシコシティでの公演が終わり、モンテレイへ。

 

海外での国内線は乗り換え以外では初めての経験。

メキシコでの公共の足は、

飛行機かバスが多いらしい。

 

AM 6:00

空港はラッシュで混み合っていた。

Vorarisという航空会社の便で約1時間半かけて北へ。

 

AM 10:30

メキシコで三番目に大きな街、モンテレイに到着!

 

12:00

ホテル チェックイン。

スタッフだけで一足先に、今晩パフォーマンスを行うライブハウスを見学。

 

数分で到着すると、ステージ上は足の踏み場もない機材置き場となっていた。

(これは、また嫌な予感がするなぁ。)

 

14:00

リハーサルの前に、現地のテレビ局で取材を受けた。

日本で言えば名古屋のテレビ局に行くようなイメージ!?

 

ここでは、嬉しいことがありました。

このテレビ局で働く1人の女性が、

約10年前からSTARMARIEのファンだったのだ。

一度も会ったこともないのに。

動画で見つけたSTARMARIEを追いかけてくれていて、

夜のライブも見に来てくれた。

遠く1万キロ離れた日本から来たSTARMARIEが、

自分の働くテレビ局に来るなど、、

彼女の心中、ドキドキが想像できる。

 

取材、撮影を終えて、いざライブハウスへ!!

 

機材置き場だったステージはどうなってるの?

 

15:00

ここモンテレイの会場も、

とても立派なライブハウスだった。

今夜でBrian the sunが最後のライブということもあり、

出演順は STARMARIE → Brian the sun。

リハーサルは逆の順で行うため、Brian the sunからスタート!

 

・・・。

 

とは、やはり行かなかった。

 

ドラムの椅子とシンバル(ドラムセットの一部分)がないのだ!

じゃあ、やはりSTARMARIEからリハーサル!

 

とも、行かず。

マイクが4本しかないのだ。

 

やれるところからやろうか!

 

しかし、他にも困ったことがあった。

モニター卓だったのだ。

 

モニター卓とは、

「ステージの中に出る音は、ステージの横からコントロールしますよ。」

ということで、大きな会場ではよくあるのだが、

ようするに、お客さんが聞く外の音と、

アーティストが聞く中の音をコントロールする場所が別々で存在するのだ。

アーティストが聞く中の音を、現地のスタッフに任せないといけないのだ。

 

通常こういう時には歌詞カードを渡し、

要点を伝えておくのだが、ここはメキシコ。

 

どうしよう。

しかし、ここで活きるのが

初夏に行った「泣けるショッピングモールツアー」。

マイクのボリュームを自身で調整してきた。

そんなの普通では?と思うかもしれないが、

 

メキシコシティレポートでも書いたように、

STARMARIEはボーカルの出入りが激しく、上げたり下げたりする。

上げすぎると、中でハウリング(キーンというやつ)を起こすので、

基本的にそこそこ下げておく。

そして、要所要所で、上げるのだ。

 

と、いう一連の設定が今回はできない、ということだ。

 

アーティストが聞く中の音を少し下げめにして、

メンバーは、マイクへ近づける、遠ざける、声を張る、抜く。

これをダンスしながら調整するということだ。

 

5本目のマイクが届いた。

 

ようやくリハーサルスタート!!

システムを踏まえて、音を仕上げていく。

 

リハーサルが終わった頃には18:00。

1時間押しで、Brian the sunにバトンタッチ。

 

 

20:30

本番。

 

Brian the sunを交えて円陣。

ジャンルの違う2組のアーティストがメキシコで共演!

奇跡のような2日間が終わりを迎えようとしている。

 

 

ステージへ。

 

袖でメンバーと最終チェック。

一足早く音響ブースへ。

各所チェックして、深呼吸。

 

登場BGMを出す。

メンバー、動き出す。

 

音響ブース。

ふと、右を見たら!

 

なんと、照明スタッフがいない!!

 

海外ライブハウスあるあるなのだが、

照明スタッフが緩い!(もちろん全員ではない)

技術は進歩し、ある程度設定さえしてしまえば、

自動でオペレーションしてくれるのだ。

 

とはいえ、いないのはどうにもならない!

真っ暗。

 

慌てて、後ろにいる本来は音響スタッフに「Where is he??」

すでに流れ始めた登場BGM、もちろんメンバーがステージへ登場。

 

真っ暗なまま。。

 

音響スタッフが慌てて照明を立ち上げる。

急にすごく明るくなる。

 

おい、急すぎるよ!

 

悪びれる様子もなく、

照明スタッフが帰ってくる。

 

 

ライブスタート!!

 

 

前日メキシコシティのセットリストを踏まえて、

メンバーの意見は、、

 

『サーカスを殺したのは誰だ』

に関して、少しお客さんが戸惑っていた、という感想が出た。

(変拍子なところか、振付か。)

 

ここを、『ママは天才ギタリスト』に変更。

『さよならお弁当』を『三ッ星レストラン・ポールからの招待状』に変更。

より、アッパーでテンションが高いオーダーに切り替わった印象だ。

 

(*打順に例えると、週末までいかないのでカット。)

 

セットリスト

1、惑星を翔けるパイロット

2、綺麗なレオナの肖像画

3、お化け屋敷に就職しよう

4、三ッ星レストラン・ポールからの招待状

5、メクルメク勇気!

6、化けビトたちの音楽会

7、ママは天才ギタリスト

8、モグラミステリーツアー

9、Fantasy World For You

10、姫は乱気流☆御一行様

 

照明スタッフは途中トイレに行くという愚行をし、

相変わらずだったのだが、ライブは素晴らしいものになった。

 

トリのBrian the sunのライブも前日と違い、

ボーカルの声が気持ちよく抜けて、聞きやすかった。

そして、前日同様、彼らは熱いライブをやりきった。

 

こうして2daysで行なったsugoi tourは幕を閉じる。

 

 

11月7日、8日は自由日。

 

時間を持て余しそうで不安だったが、

洗濯をしたり、ショッピングしたりで、あっという間に過ぎた。

 

 

 

ここで話は逸れて。

 

僕たちが出会ったメキシコ人。

空港、スタッフ、ホテル、ファン。

業界人、一般人問わず、皆、礼儀正しく、陽気で親切。

 

アメリカとの国境で起きる悲惨なニュースが、

日本におけるメキシコのイメージを作っているように思います。

メキシコに関わらず(日本も含めて)、危ないところは危ない。

世界を旅していると、毎回そう思います。

 

メキシコ中心地では、

夜も含めて治安は問題なかったです。

 

やはり、行かねば分からない。

 

11月9日

メキシコ最終日は、

8000人来場のアニメコンベンション「LaConve 」。

 

AM 9:30

 

イベント規模に心を躍らせながらリハーサル。

メキシコ3回目のステージにして、

最も機材は充実し、リハーサルもスムーズ。

 

あっという間に音は出来上がる。

 

リハーサルが終わったら、

その設定を音響の機械にセーブしておくことができる。

だから、ワンタッチでSTARMARIEの設定を呼び出すことができるのだ。

当然この日もセーブするように依頼した。

 

しかし、現地のスタッフがおかしなことを言うのだ。

「STARMARIE以外は(機械を)使わないからセーブしなくて大丈夫」

 

本当に?そんなわけないだろ。

通訳を介して、何度も尋ねた。

 

しかし、答えは同じ。

首を傾げながら、これ以上は交渉してもダメだと思い、会場を後に。

 

AM11:30

会場 ⇄ ホテルは車で10分

ホテルへ戻り、昼食。

 

15:30

準備万全、化けビトたちは会場へ。

 

16:20

楽屋スタンバイ

前のトークショーが少し伸びて終了。

音響ブースへ。

ライブの前に、まずはSTARMARIEのトークショーから始まる。

現地のラジオDJの軽快なMCでトークは進行する。

 

その合間に、音響の最終チェックをする。

 

 

と、思ったら!

 

設定が変わってる!!!

 

 

やはりセーブさせるべきだった。

モニタースピーカーの音は完全に切られていた。

(おそらく一度、電源を切って、再起動したんだろうな)

朝のリハーサルが無意味になったと分かった瞬間だ。

 

 

しかし、慌てない。

慌てない。自分に言う。

できることをやるしかない。

 

トークショー終わりを待って、

わずかな時間でセッティングし直し。

もう一度リハーサルはできない。

すでにお客さんは集まり始めている。

 

最後まで設定を変えていないと言い張るスタッフを叱咤しながら、

感覚で、朝の音量に戻していく。

たくさんのインストアをやってきた経験が活きる。

メンバーがやりやすいバランスを想像する。

 

 

不安を残し、

ライブスタート!!

 

ブラッシュアップしてきた1週間。

セットリストは、持ち時間の関係で、

前回から2曲カットの以下8曲。

 

1、惑星を翔けるパイロット

2、綺麗なレオナの肖像画

3、お化け屋敷に就職しよう

4、メクルメク勇気!

5、化けビトたちの音楽会

6、モグラミステリーツアー

7、Fantasy World For You

8、姫は乱気流☆御一行様

 

パイロットの歌い出し、

もにゃがマイクを上げてくれと合図。

やはりマイクが少し小さかったか。

しかし、予想の範囲内だ。

これで、ほぼバランスは決まった。

 

 

曲が進むにつれ、お客さんが増えていく。

これまでもアニメコンベンションはたくさん経験してきた。

そこは、ライブ目的で来場している人たちではない。

コスプレや、アニメ、ゲームが好きな人たち、

言わば、彼ら自身が主役のフェスなのだ。

そこでたまたま、日本から来たアーティストのライブに遭遇する。

 

地球の裏側で、

出会うはずのなかった人と人が出会う。

 

音楽は国境を越え、STARMARIEのパフォーマンスが声援を浴びる。

 

 

 

一度帰国して、次はポートランド。

 

旅は続く。