第89回全国高等学校サッカー選手権大会東京都Aブロック決勝戦
昨日、東京都北区にある西が丘サッカー場で第89回全国高等学校サッカー選手権大会東京都Aブロック決勝戦が行われた。
俺の母校の駒澤大学高等学校が創部以来初の全国高等学校選手権大会への切符を手にした。
その歴史的瞬間を会場で観ることができたのは感無量だった。
決勝戦の相手は高校サッカー界の超名門、帝京高校。
誰もが知っている高校サッカー界の強豪校。何人もJリーガーや日本代表選手を輩出している。
俺の高校時代の時もめちゃくちゃ強かった。
俺が高校3年の時の帝京高校は、中田浩二選手(現鹿島アントラーズ)を中心に全国大会の決勝戦で雪の中、東福岡高校と激闘を繰り広げ、準優勝という結果だった。
帝京のあのユニフォームを見るだけで誰もが強いチームだという印象はあったと思う。
でも、昨日、後輩達はその帝京を1-0で破り全国への切符を手にした。
試合前に整列したのを観た時、正直帝京の方が身体も大きく、ガッシリしたイメージだった。
これはどうなるのかなって思ったけど駒大高のイレブンは帝京高校に物怖じすることも、怯むことなく、最初から全力プレーだった。
すごく頼もしく見えた。
全員が気持ちを全面に出して戦っていた。
そして、そのイレブンを応援する応援席のサッカー部員、生徒、父母、OBなど駒大高校サッカー部に関わるすべての人達の応援がまたすごかった。
Jリーグのサポーターさながらの大応援団だった。
メインスタンドで観戦していた俺には地鳴りのように聞こえた。
あの声援は選手の力になるし、支えになると思った。
選手を走らせる力、動かせる力に繋がっていた。
現に駒大高のイレブンは80分間、誰も選手交代することなく、試合開始から終了まで走りきった。
選手達のフィジカルの強さもさることながら、間違いなく応援の力が最後まで選手を走らせたと思った。
選手達もその声援、応援に応えるべく、自分のすべてを出そうと最初から最後まで全力プレーだった。
イレブンの集中力はすごかった。
何度も相手のディフェンスラインの裏を狙うFW。
ハードワークするMF。
身体を張って帝京の攻撃を跳ね返していたDF。
常に冷静なGK。
俺が特に印象に残ったのは6番の宮崎君。
彼の献身的なハードワークぶりはすごかった。
ボールへの寄せ、カバーリングの広さ、身体を張ったプレーはとても印象的だった。
チームの屋台骨を支える選手だと思った。
80分間、集中力を切らさずに戦った結果、最後の最後にPKを呼び込み、1-0という勝利を掴んだのだと思った。
PKを決めたキャプテンの大畠君が決めた後、ベンチに向かって猛ダッシュで監督やコーチ、スタッフ、控え選手達と抱き合ったシーンは目の前で観ていて目頭が熱くなった。
1点リードして残り時間、ロスタイムを含め5分弱、早く終われって心の中でずっと叫んでいた。
試合が終わった瞬間は一緒に観ていた高校時代の友人と立ち上がってガッツポーズ。
自分が試合に出ていた訳でもないのに、自然と涙が出た。
悲願の全国高等学校選手権大会初出場。
試合終了後に選手達が応援席に走っていった姿がとても印象的だった。
すごい良い光景だった。
あの光景はその場にいなければ決して観ることのできないシーンだった。
自分の代では夢だった全国大会への切符。
卒業して13年、後輩達の手によってもたらされた。
表彰式、駒大高が優勝旗をもらっているその左側で涙を流す帝京高校の選手達の姿を観て、勝負事って改めて厳しいものなんだなって思った。
両校の差はそんなになかったと思う。
ちょっとした差だったと思う。
だが、勝ったチームと負けたチームの現実は全く違う。
勝ったチームは全国へ行けて、負けたチームは全国へ行けず、3年生はその試合で引退。
明と暗。
ものすごく厳しい現実であり、だからこそ、一瞬一瞬にすべてをかけ、全力を出し切ることができるのだと思う。
結果がすべての勝負の世界。
俺もその世界に身を置いているが、改めてその厳しさを感じさせられた。
高校生にとってはちょっと厳しすぎる世界だとも感じた。
でも、この経験が高校生の更なる成長へと繋がっていくのだと思った。
両校の選手に心から敬意と感謝の気持ちで表彰式は拍手をした。
試合後、コーチをしている亀田先生と少しだけ話すことが出来た。
亀田先生は俺が3年の時の1年。
俺の方が2年先輩だけど高校時代のように「おい亀田」なんてもう言えなかった。
卒業してから初めてかな。
話したのは。
選手達からすごく信頼され、すごく頼られているように見えた先生も話している時は当時と変わらなかった。
ちょっと懐かしかった。高校時代に戻った気がした。
「全国も頑張ってな!!また、観に来るよ」って偉そうに先輩風を吹かしてもらいました。
全国大会もぜひ、応援に行きたい。
駒大高の皆さん、感動をありがとう。
これからも頑張って下さい。応援しています。