プロ野球、激闘の2021年のシーズンが、11月27日幕を閉じました。


オリックス・バファローズはパ・リーグを優勝し、クライマックスシリーズを突破し、1996年以来25年ぶりに日本シリーズに進みました。


2021年は世界の誰もが知る、新型コロナウイルスが蔓延し、どの業界もその煽りをくらいました。


プロ野球もそのひとつ。


無観客試合や醍醐味である本来の応援の姿の自粛。


コロナ禍以前のプロ野球を知る人であれば、グラウンドで野球の試合が行われている事以外、全くの別物になったと感じられた方もいる事でしょう。


コロナ禍になり、世の中基本的に良い事はありません。


ですが、どんな暗い場所にでも必ず一筋の光は差し込むように、平常時であればありえない奇跡も起こりました。


それは神戸で日本シリーズが行われた事でした。


昨年の東京オリンピックが新型コロナウイルスのため1年延期となり、2021年の今年に行われました。


野球は2008年のオリンピック以来、今大会のみ、正式種目として復活。


そのためにプロ野球が約1ヶ月の中断に入ります。


さらに、新型コロナウイルス蔓延防止のためや、雨天による日程の延期のため、シーズン開幕前に予定されていたCSと日本シリーズが1週間後ろ倒しになりました。


その後ろ倒しになったことにより、今年から昨年は開催できなかったコンサートの公演が既に京セラドーム大阪で行われる事が決まっていたため、ドーム以外の別の場所で日本シリーズの第6戦・7戦を行う必要ができました。


そこで現在は準本拠地で、かつてのオリックスブルーウェーブの本拠地で25年前日本一に輝いた神戸の球場・グリーンスタジアム神戸、現在のほっともっとフィールド神戸での開催が決定しました。


そして、オリックスの2勝3敗で迎えた第6戦が行われた11月27日、それが現実となりました。


つまり、まずオリンピックが今大会のみ正式種目として野球が復活しなければまずできなかったわけですし、オリンピックが予定通り2020年に開催されていなければできませんでしたし、日程が予定通り消化されていればドームで行われていましたし、延期先にたまたま先に公演の予定が入っていなければなりませんでしたし、オリックスが優勝しCSを突破しなければありえないことでしたし、日本シリーズもどちらかの3勝2敗以上で、天候も晴れなければ、神戸で日本シリーズを行える事はありませんでした。


25年前の1996年は僕自身が野球を始め、地元のチームであったブルーウェーブの試合を初めて観に行き、ファンになった年。


僕は特にイチロー選手・田口選手・大島選手・小川選手のファンでした。


そして野球とオリックスが好きになった年、場内アナウンスをされていたのが、日本スタジアムDJパイオニア・DJ KIMURAさん。


僕はDJ KIMURAさんの選手コールが大好きで、ずっと将来は自分もプロ野球選手になってオリックスに入団し、DJ KIMURAさんに名前を呼んでもらうことが夢でした。


そんな僕も野球の実力はなく、当然プロ野球選手になれず、DJ KIMURAさんも2000年をもって勇退され、僕とオリックスとDJ KIMURAさんの接点は消えてしまったように思っていました。


それがたまたま球団の方々に僕もオリックスの場内アナウンサーに選んでいただき、2018年からかつてそのDJ KIMURAさんが座られていた席と同じ場所に座り、同じ景色を見る事ができました。


これだけでも僕にとっては奇跡なのですが、オリックスではDJ KIMURAさんと僕を含め過去5人の場内アナウンサーで1991年からこの30年間を繋いできました。


その中で優勝、そして日本シリーズのアナウンスをする事ができたのは、DJ KIMURAさんに続いて2人目になりました。

そしてそれが僕が小学生の頃憧れた神戸の球場で日本シリーズのアナウンスをできた事。


この奇跡は言葉にすることはできません。


たくさんの方のおかげです。


オリックスの球団の方々が、なんの実績もなかった僕を選んでくださらなければこの景色を見ることはできませんでした。


DJ KIMURAさんにはいろんな事を相談させていただき、励ましのお言葉をいただきました。


オリックスファンの方がチームを応援し、選手がその応援に応え、勝ち進み続け、優勝・CS突破・日本シリーズでも勝利を納め続けたくれたおかげです。


日本シリーズはその第6戦で敗退し、日本一になる事はできませんでした。


その結果にはそれぞれ思い想いの事があるでしょう。


でも、僕はそんな奇跡をおこし続けてくれたオリックス・バファローズに携わる全ての皆様。

25年前に僕をオリックスブルーウェーブのファンにしてくれた、当時のオリックス球団に携わった全ての皆様に感謝の思いでいっぱいの2021年でした。


奇跡というのは起こり得ないから奇跡なのですが、それが時として起こり得る事があるから奇跡なのだな、と思いました。


今度は自分が未来の誰かの奇跡になれるよう、また今日から頑張ります。


最後に、

あらためてありがとうございました。


神戸佑輔