岸田外務大臣は31日からベトナムを訪れ、南シナ海の領有権を巡るベトナムと中国の対立を受けて、海洋秩序の維持の重要性や、海上安全保障の分野での両国間の連携の強化を確認することにしています。


岸田外務大臣は31日から3日間の日程でベトナムを訪問し、ズン首相ミン外相らと会談する予定です。


一連の会談で、岸田大臣は、ベトナムと中国が領有権を争う南シナ海の海域で、ことし5月に中国が石油の掘削装置を設置してから続いている両国の対立について、対話による解決を目指すベトナムの対応を支持する考えを伝えることにしています。


そして、中国が沖縄県の尖閣諸島周辺など東シナ海でも海洋進出を活発化させていることを踏まえ、法の支配に基づいた海洋秩序の維持の重要性を確認したいとしています。


また、岸田大臣は、ベトナムの海上警備能力の向上に協力するため、ODA=政府開発援助を通じて、巡視船に搭載するレーダーや無線を供与する方針を伝えるなど、海上安全保障の分野での連携の強化を確認することにしています。