日本サッカー協会は24日、日本代表の次期監督が元メキシコ代表監督のハビエル・アギレ氏(55)に正式決定したと発表した。


8月中旬に来日して契約を結び、9月5日のキリンチャレンジ杯・ウルグアイ戦(札幌ド)が初采配となる。


1次リーグ敗退に終わったブラジルW杯から1カ月。4年後のロシア大会へ、W杯で2度の16強進出という実績を持つ名将の下、日本が再出発する。


契約内容は非公表ながら、2018年ロシアW杯の指揮を前提にした延長オプション付きの2年契約で、推定年俸はザッケローニ前監督とほぼ同額の150万ユーロ(約2億1000万円)とみられる。


単身赴任だった前監督と異なり、夫人のシルビア・カリオンさんを伴って日本を拠点に活動する。


早速、頼もしい言葉を口にした。W杯で日本の戦いぶりを観戦したアギレ氏は原専務理事に「もっとできるはずだ。日本人の持つポテンシャルはこんなものじゃない。体は大きくないが技術のある選手が多い。W杯はちょっとしたことで、うまくいかなくなることもある。まだ強さや経験が足りない。私の経験を伝えたい」と伝えたという。


10年南アフリカW杯では予選落ちが濃厚だった母国メキシコを浮上させ、本大会では2度目の16強入りに導いた。スペインリーグのサラゴサエスパニョールでは堅守速攻をベースに、財政難のクラブを1部に残留させた。


原専務理事は「厳しい状況から立て直す手腕は、今の日本にふさわしい。うまくいかない中でも踏ん張れる引き出しの多いチームに成長してほしい」と、攻撃的な“ザック流”に「勝負強さ」を加えられる指導者として期待を込めた。


人物像については「ジェントルマンで気持ちの強い人」と説明。普段は温厚だが、運動量が少なければ主力も容赦なくメンバーから外す厳しい一面も持ち、スペインでは「鬼軍曹」とも呼ばれる直情型だ。地元記者によると、野球観戦など趣味が多彩で海外の文化に溶け込む柔軟性も持つという。


日本代表監督に外国人が就任するのは7人目で、メキシコ人は初めて。代表の再建へ、名将が日本に降り立つ。