政府は10日、サイバーセキュリティーに関する年次報告を決定した。


これによると、日本の政府機関を標的にした平成25年度のサイバー攻撃は約508万件に上り、約108万件だった前年度に比べ5倍に急増した。


6秒に1回のペースで検知される攻撃回数に加えて、手口も巧妙化しており、サイバー攻撃の脅威は急速に拡大している。


金融や交通、電力、医療など民間の重要インフラ分野に対するサイバー攻撃も増加しており、政府の情報セキュリティセンター(NISC)に報告された25年度のサイバー攻撃は133件と、こちらも前年度の2倍近い件数となった。


サイバー攻撃をめぐっては中国や北朝鮮の政府機関による関与が指摘されているが、発信源の特定が難しく、対処できなければ甚大な被害を生じさせる。


そのため政府は昨年12月に策定した国家安全保障戦略で、サイバー攻撃への対応能力強化を図るとともに、関係国と情報共有を拡大し、サイバー防衛協力を推進することを明記している。


政府は10日、情報セキュリティ政策会議を開き、菅義偉(すがよしひで)官房長官は「対処能力強化は喫緊の課題だ」と強調。宇宙や原子力関連の独立行政法人へのサイバー攻撃対策についても政府機関並みに強化する方針を確認した。


政府は2020年東京五輪の開催を見据え、政策会議を法制化し平成27年度にも「サイバーセキュリティ政策会議」に格上げする方針をすでに決めている。