参院選で白票300票増やした疑いで、高松市幹部ら逮捕。


昨年7月の参院選の開票作業で白紙投票を「水増し」したとして、高松地検は25日、高松市選挙管理委員会の事務局長だった山地利文容疑者(59)ら市職員2人と元職員1人を公職選挙法違反(投票増減)の疑いで逮捕し、発表した。


 ほかに逮捕したのは、団体職員の大嶋康民容疑者(60)と市消防局次長の山下光容疑者(56)。2人は当時、比例区の票計算を担当する職員だった。


 地検によると、3人は昨年7月21~22両日、市内の体育館で参院選比例区の開票作業をした際、パソコンで集計入力済みの白紙投票の用紙を、再び集計入力担当者に渡して再入力させるなどして、白紙投票を約300票増やした疑いがある。地検は3人の認否を明らかにしていない。


 参院選の開票を巡っては、比例区で当選した自民党の衛藤晟一参院議員の得票が高松市で0票だったことから、「投票した」とする支援者らが市選管に再点検を要請。公選法の規定で再点検には選挙から30日以内に訴訟を起こす必要があり、既に過ぎていたため、山地容疑者は「不自然だと思う」としながら再点検はせず、「原因は特定できない」と説明していた。地検はこの問題に関連する告発を受けて捜査していた。


 衛藤氏は前回07年の参院選では高松市で432票を得ていた。朝日新聞の取材に「私に投票してくださった方々の気持ちがないがしろにされ、申し訳なく思っていた。何があったのか、本当のことを明らかにしてほしい」と述べた。市選管の東原博志事務局長は「開票数と投票数が合わなかったのを白票で調整したのでは」との見方を示した。