楽器の話をしましょう。


私は現在セルマーのクラリネットを愛用してますが、以前は世界的に愛用者人口の多いビュッフェクランポンのクラリネットを先生から勧められて使っていました。


ビュッフェクランポンといえば現在、R-13系、RC系、Tradition系と3本柱になっていて好みで選択できる魅力あるメーカーです。しかし、昔はあまり選択肢がありませんでした。


先に言っておきます…どれが良い悪いではなくて、好みの話です。


音大受験で奮闘していた頃、やはりと言わざるを得ないか…先生の勧めでビュッフェクランポンのR-13を使っていました。正直、これが私にとって全てのつまずきでした笑


はいこれね、という感じであてがわれたのです。選択肢はありませんでした。


今でも思う、自分に合わない楽器を買わされたときの苦痛。


あのね、大概の従順な生徒さんはそういう風に思わないのです。あてがわれたら大事に使うのです。私はひねくれた人間なんで、大変後悔しました。だから、私のプロフィールには高校時代のクラリネットの先生の名前は載せてません。


そんなひねくれた人間なんで日本の音大に行くことに興味がなくなり、高校卒業したら、とりあえず海外に行こう!とか決めてしまう破天荒な私でした。別に優秀だから海外留学したわけではありません。ただのアウトローです。


だから、いま全然仕事ないですもんね。自業自得です笑


話を戻して…シカゴの音楽大学に進学が決まり、これまた困った現実…先生夫婦そろってR-13…まじかよ…って心底自分の運命を憎みました。必死に頼み込んで日本でRCのABセット買ってくるから使いたいと…変わった生徒が日本から来たもんだと思われたことでしょう。留学する前の先生がRCで、とても美しい演奏をされていたのです。今でも憧れる先生です。その先生に選定をお願いしました。


RCで学生時代を謳歌した私、笑


なのでRCには思い入れがあります。だけど、あれからだいぶ歳を重ねて今ではR-13も大好きです。


私がいいたいことは、どの系統が良い悪いではなくて、本能的に好みの楽器を手にしてほしいのです。


だから、私は生徒さんのクラリネットを選定する際にはメーカーの指定すらしません。まずは一緒に楽器店に行っていろんなメーカーのクラリネットを吹いて聴いてもら生徒さんにも吹いてもらい、どんな音が好みか話をしてメーカーと機種を決めます。選択肢多い中からそれぞれの状況に合うクラリネットを見つけるのです。


私の生徒さんたち、いろんなメーカーのいろんな機種のクラリネットを使っておられます。それぞれの楽しみを尊重しております。


私は現時点ではセルマーのレシタルを愛用してますが、仕事が増えてクラリネットの買い替えをできる余裕ができたとしたら他メーカーを検討するかも…しれません。それは、その時その時のニーズですからね。