2024.6.30.福島県南会津町・昭和村 駒止湿原

 

*すべてスマートフォンにて撮影。

 

6:30現地駐車場に到着すると車が2台しか止まっていない。

「ハイカーは雄国沼湿原のニッコウキスゲに流れたかな?どっちみち今日は静かな山行になりそうだ」

身支度を整えクマよけ鈴を腰に装着して出発。

湿原の入り口に差し掛かると 遠い昔に嗅いだことがある胸騒ぎのする匂いがした。でもそれがなんなのか思い出せなかった。

 

三週間前はワタスゲの白が主役だったが今日はゼンマイの優しい緑色が主役。

 

黄色のニッコウキスゲが混じり湿原は夏を謳歌していた。

 

写真を撮りながらのんびりと木道を歩いた。一時間ほど歩いても誰とも会わなかった。

 

遠くでカッコウとウグイスが競い合いながら鳴いている。「コツコツコツ・・・」靴音が響く。

 

ときどき立ち止まってシャッターを切った。至福の時間。。。

 

湿原の奥まで歩いてきた。木道からちょっと離れた水芭蕉がなぎ倒されていた。そしてあの匂いがした。「あっ!!!」心の中でくすぶっていた疑問が一気に解決した。

クマの仕業だっ!

 

あたりを見回すと木道の脇にクマが掘ったであろう穴があちこちに空いていた。たぶん水芭蕉を食べたのだろう。

私はくるっとUターン。腰の鈴を手に持って大きな音を出しながら帰り道を急いだ。

途中でこの日初めて人に出会った。一連の話をすると驚くこともなくうなずいていた。そして「さっき湿原の入り口で木に登っているクマに出くわした。大きな声を出して威嚇したら慌てて森の奥に姿を消した」

さっき私が感じた胸騒ぎのした匂いはおそらく獣の匂い、つまりクマが近くにいたのだろう。

 

まあ、クマに遭ったらその時はその時。腹を括って木道を歩いて駐車場に向かった。たぶん速足になっていたと思うけど(笑)