今から13年前
青二才だった僕はエレキのケースに夢をつめこんで毎日を過ごしていました。
野球も柔道も才能ないと言われていた頃、歌う事だけは人から褒められた
当時、赤羽で音楽活動をしていた僕にある『出会い』がありました
当時毎週の通っていた音楽喫茶に『岡本』という男に連れられて彼女はやってきた。
彼女の名は『ゆら』
茶髪のショートカットで、露出系の服を来ていた小柄で可愛らしい女性だった。
初対面は一緒にカラオケするぐらいで終わりました。僕も『まぁ会うのはこれっきりだろうな』とその時は思っていたので特に連絡先交換もせずに解散
その日の『岡本』は上機嫌だった。
そりゃそうだ、ナンパして連れてきたんだから。
それから1週間のある金曜日……
赤羽の音楽喫茶と提携してる上野の音楽喫茶に誘われ、学芸会レベルのショーを渋々見にいく羽目に
美味しくもないカレーを食しながら学芸会ショー開始を待っていたら、
『おっひさ~』
の声でゆらがやってきた!前回会った時はロクに会話もしなかったのに彼女は僕を覚えてくれてました。
『雄輔クンだっけ?』
『うん、君は確か…』
『ゆらだよ』
こんな会話から始まりましたが、お互いに同い年で、当時は同じ学生、同じ趣味を持っていたので直ぐに意気投合した
学芸会ショーはそっちのけでその夜はゆらと一緒に過ごしていました。
が、この時の岡本の目には嫉妬の炎が燃え盛ってた事に僕は気付きませんでした。
この『岡本』が結果的にゆらを苦しめ、僕らを引き裂く原因となるとはこの時はまだ知りませんでした。
『あの日の夜、あのままゆらと2人で逃げちまえば良かったなぁ…』
今でもそう思う事があります。
初めて異性を守りたいと思うきっかけが彼女でした。あの夏、左手にはいつも大切な彼女の手を握りしめてた…
つづく…かも