7月2日

Col de Dame Grisこと、レディグレイに着果。アルマと比べてちょうど一月遅い着果です。

世界一甘いイチジクと言われる糖度を誇るレディグレイ。甘いだけでなく、独特の癖があるらしい。どんな癖なんだろうか。

個人的にはイチジクの香りも好きなので、どぎついやつでもバッチ来いなんですが。むしろイチジク臭いヤツほど好きかも知れない。なのでこれを一番先に手に入れたし、めっちゃ期待している品種なんですよね。

とりあえず初なりなので、何としても収穫に漕ぎ着けたいところ。

というのも、レディシリーズはイチジクの中ではえらく晩生だそうで、日本の秋は少し厳しい所もあったりする暖地向けの品種だそう。岡山県南なら何とかなるのでは？と思ってますがどうかな？

7月13日

それから10日程。

すっかりイチジクになってます。付け根が太いというか、えらくぽっちゃり系ですね。

この付け根がCol(首)になるんですかねぇ。

7月19日

しっかり育ったレディグレイは一次肥大も早いです。二週間でこのとおり。

すっかりイチジクでかわえぇ。

7月27日

ぐんぐん上に伸びるので、来年のことを考えて一文字に誘引。

真上に一本伸びている枝は実がついていたのでそのまま上に伸ばしてみることに。

8月6日

実がついてから１ヶ月。

イチジクらしさはありますが、なんというか見慣れない位付け根が太い。しっかり栄養が送られそうな見た目してます。先端部は節が詰まっておりポコポコ実が付いているんですけど、根本にはつかないんだよねぇ。ブランシュなんかは根本から付いているのに。何この差。

8月24日

とてつもなく暑い夏だったので、水やりを忘れたら一発で終わりかなと思いつつ毎日の水やり。

そのおかげか、一つも実を落とすこと無くここまで来ました。そろそろ暑さも収まってほしいところ。

実家のブルンスウィックやロングドゥート、こちらにある国内版アルマも収穫出来ましたが、レディグレイはまだまだ固いまま。

アルマが収穫までちょうど3か月でしたので、同程度なら9月末が収穫の目安でしょうか？着果から90日なら普通ですかね？アルマは着果が早くて成熟期は並で早生という感じでしょうか。

着果が遅い事による晩生なのか、成熟までが長いための晩生なのかが気になりはじめました。

9月20日

少し果皮の色が黄色くなってきた様子。

目が真っ赤で中身も既に赤いんだろうなというのがわかります。レディグレイならもう完熟アルマを越えるほどのルビーレッドになるらしい。そしてこれから果皮が灰紫色に変わって来るはずです。

そして二次肥大前のサイズがアルマより多少大きい気がします。60g程度とされているので、それくらいになって欲しい。

ちょうどその頃。他のイチジクはというと、

国内版アルマ。あと6つ程。早く全部収穫して落葉までに木を大きくしたい。

ビオレソリエス。既に目が赤い。間に合うか？

バッタリアグリーン。これも豊産だねぇ。変形果と縮れた葉はおそらくFMVの影響です。

ブランシュダルジャンテイユ。豊産。樹勢はそれほど弱くないぞこれ？むしろかなり強い。

シャーアンバー。一番樹勢が弱い。ここから大きくならない。間に合わないかも？

9月22日

ここ数日で一気に熟してきました。

あと数日といったところでしょうか？どれくらいで収穫すべきか…天気次第ですが、まずは完熟を目指してみましょうかね。

9月24日

本当はあと数日置いておきたかったけど雨予報で腐敗してしまう可能性もあったので、諦めて収穫しました。

完熟ではないですが、果皮もひび割れが出来てて美味しそう。もうちょいきれいにもぎ取れば良かったです。品種としては間違いなくレディグレイですね。

ということで、いざ。

初なりレディグレイですが、大きさは32gと思ったほどではない？

割を入れると濃いルビーレッド！！これは美味しそうだ…

食べてみるとしっかり風味がのってる。

食感はアルマなんかと同じジャム様のもったりもっちりした果肉。バナーネを完熟させてもこうはならないんだよなぁ…。柔らかめの干し柿に通じる水分が抜けたもったり感というか、冷えた水飴を掬い取ったかのような食感というか。

香りは当然イチジクらしい香りは後からしてくるんですが、果肉から今までイチジクで感じたことのない赤ワインに通じるような複雑な深ーい香りがしてきて甘味酸味と重なってすっごいフルーティー。食べたことない風味がする…。

味はというと、当然ながらしっかり甘い。そして適度な酸味もしっかりあるので味の深さが凄い。この酸味がなんというか、イチジクらしくないというか、見た目に反してえらいハデハデな香りがする…そしてそれがもったりした果肉のお陰で凄い存在感のまま口の中に消えていく…。

…これは美味しいぞ。まだ味見出来てない品種があるからわかりませんが、少なくとも今のところアルマやブルンスウィックやバナーネは足元にも及びませんね。

暖地向きの品種なのでこれからどれくらい熟れるかわかりませんが、イチジクなのに少し驚きました。育てた甲斐があったなぁ…。

9月29日

着果から３ヶ月になろうとしています。ところがあの初なり以降、一つも熟れる気配がなく。今年はしっかり秋が寒くなる予報もあって、晩生の品種は何だか全部収穫間に合わないんじゃないか疑惑。

一世を風靡したはずのレディグレイが徒花になっているのはこの最晩生に近い晩生の性質があるから。

こちらも暖かくて雪こそ積もらないものの暖房ないと寒い程度にはやっぱり寒いので、全部は収穫できないやも…という気がしたので、ドーピングしてみることに。

イチジクのドーピングとは。

ハト目に植物油(オリーブオイルやゴマ油)を塗ると、含まれている脂肪酸が酸化してエチレンとなるそうで、エチレンは言わずもがな、キウイやバナナの追熟を促す成分なんですが、同じようにまだ青く固いイチジクを肥大させ、熟させる効果があるそうな。オイリングという技術だそうで、およそ7-10日ほど熟期を早める効果があるそう。

ということで、

とりあえずもう着果から３ヶ月になろうとしているレディグレイの全部と国内版アルマにオリーブオイルを塗り塗り。

ゴマ油の方が効果あるよと言われても、僕はオリーブオイルを使うと思います笑

他にはギター用のオレンジオイルやら刃物用の椿油やらもあるんですが、とりあえずオリーブオイルで。

効果あると良いな。でも早めることで美味しくなかったら嫌だなという二律背反。でも完熟出来ないのはもーっと嫌です。

とりあえず7月頭の着果に対して9月末を目処としてオイリングしましたので、今年の様子を見て、また来年以降の育成状況でその辺りは調整しようと思います。いくつか対照実験と言うことで残してますので(オイリングし忘れたやつ)、それらはそのままにして熟れるか見てみることにします。

僕は知らなかったので、とりあえず可能性のありそうなもの全てにオイリングを施しましたが、実の質(糖度かな？大きさかな？)を担保しつつとなると、一度にオイリングを行うのは2-3個程度にとどめるのが良いそう。一週間で効いてくるので、寒波と葉の元気さで調整しないとダメですね。

10月2日

オイリングをして丸３日。

9月29日にオイリングしている画像の実が何だか黄色くなってきました。他のも多少黄色くなりつつあるので、これは効果があったんだと思います。

一番顕著なのはこの実。今週末には収穫出来そうな気がします。

それ以外の実も徐々に黄色くなりつつあり、オイリングの効果をひしひしと感じてます。期間的には90日は実っているので、しっかり甘さも貯まっているんじゃないかな？

オイリングしたものは急激に大きくなった影響か、降雨の影響か、割れたものやハト目が割けかけているものも出てきました。風味も甘さも足りない。

10月9日

オイリングから一週間。

緑のままのものは、オイリングが漏れた果実。全然変わっとらん…。

対してオイリングしたものはもうしわしわになりつつありますが、まだらだったりしてあまり綺麗にはなりませんでした。

味も自然に完熟した一個目が一番特徴的な風味があって美味しかったですね。今のところ。

翌日。

一気に5個収穫。オイリングの効果すげぇ…

他にも採ろうと思えば十分収穫出来るんですが、とりあえず5個。天気に恵まれたので、いい感じにしわしわ。

で、置くところどうしようかなというところに良いものが。

これ、完璧ですわ。玉子のパックはイチジクケースに最適です。

収穫実績

やっぱり７月に入ってからの着果では早くても９月末まで掛かりますね。一番早い個体でさえおよそ90日。着果が遅いことに加えて着果から完熟までの期間が長いこと(100日程度)による晩生品種のようですが、岡山県南で7月着果ならなんとか収穫可能ということですね。オイリングを使えば。

多分これが収穫出来れば殆どの品種が収穫可能と言うことになるので、とりあえず収穫出来たのは目安としてありがたい。来年は6月までに着果したらそのままオイリングせずに完熟させたいところ。

オイリングした果実の味はというと、微妙に風味が足りないというか、普通のイチジクになりますね。それでも美味しいんですけど。そして一気に大きくなる分めっちゃ割れやすくなる。しわしわ具合も一個目のようなひび割れるような感じではなく、一気に膨らんで一気に萎んだような状態に。

1個目(9/24)32g

2個目(10/5)38g←オイリング

3個目(10/6)36g←オイリング割れたので収穫

4個目(10/8)44g←オイリング

5個目(10/9)41g←オイリング割れたので収穫

6個目(10/10)29g←オイリング

7個目(10/10)37g←オイリング

8個目(10/10)36g←オイリング

9個目(10/10)31g←オイリング

10個目(10/10)27g←オイリング

11個目(10/11)32g←オイリング

12個目(10/12)33g←オイリング

13個目(10/13)31g←オイリング

14個目(10/13)28g←オイリング

15個目(10/13)27g←オイリング

16個目(10/13)不明←獣にやられた何奴？涙

17個目(10/13)31g←オイリング

18個目(10/17)40g

これで今年のイチジクはほぼ目処となりました。

まだ熟れてないビオレソリエス、バッタリアグリーン、ブランシュダルジャンテイユ、シャーアンバーはありますが、まぁほぼ望み薄と思ってます。

完熟させたレディグレイでしたが、個人的には一個目の熟れたてと完熟の間位が一番良かったですね。しわしわ完熟は芳醇な赤ワインのような風味が伴いますが、味はひび割れる程度の方が複雑で深みがあって美味しいです。

Col de Dame Grisの成熟まで