・・・ここまで「眠れぬ森の美女」を見直して、僕は今だシナリオの何がいけないのか分からなかった。

僕は一人机に向かい、新たな企画である「グッドバイサンシャイン」のシナリオは、より完璧でないとならないと

考えていたが、この「眠れぬ・・・」から反省点を導き出すことはできなかった。


キムテ〇さんの会社との3回目の協議の時、例の韓国で大ヒットしたドラマ「アイリ〇」の撮影もあり、うまく

話は進展しなかったが、そのときはまだ一途な望みは抱いていた。そしてあの、散々な目にあった日本での

出来事を経由し、再び一文無しで韓国に戻った僕だったが、それでもまだこの町の方が何かが生まれる気が

するのだった。希望はある。

そして昔の知り合いを通じて、新たな制作会社と組むことになった。

3つある企画を同時に動かし、そしてもう映画だけにこだわらず、自分がこの10年何を考え、学び、生きたのかの集大成をここで見せるべきだと思った。


ここまでは良かった。


そして新たに組もうと考えた制作会社は、簡単に言えば、制作会社ではなかった。制作コーディネーターであった。それはさして問題はない。進めばいいのだ。僕は企画を話して、進展してもらうようお願いした。しかし、韓国

特有のフライングゲームが始まった。これを調整するのは、僕ではない。僕は韓国に来たその瞬間から、彼らに

とって、韓国側の監督なのである。僕はこれまでの知りうる限りの情報を、日本側に伝えようとしたが、悲しいかなその会社では電話を使わせてもらうことはなく、いつも日本にかける時は、代表の携帯を借りるという形だった。かけた所をメモリーに記憶されるという嫌な記憶がある僕は、それを良しとしなかった。日本に連絡は主にメールとなった。が、日本側が忙しいと、返事が3日来ないという、これまでになかった展開となった。その3日分、韓国側は動く。ずれる韓国と日本。制止は聞かない。そのズレと、日本側の反応の無さが、さらに輪を広げていく。

そんなとき、僕は(正直ここではまだ明かすことのできない)某女優と再会する。こればかりはまだ、名前を〇つきでも無理。韓国に遊びにきた彼女は、僕のメールに連絡してきて、あいたいと言った。

「はい?」と、僕。


なぜなら彼女は今は日本でドカーンときている人なのだから。

誰が無一文の男を相手にするもんか?

しばらく返信しないでいた。しかし、あまりの杜撰な流れにイライラした僕は、愚痴の相手に、彼女を選ぶしか

なかった。


つぐく