夜の静けさが訪れると、私はようやく自分と向き合う時間を持つことができます。その日は特に疲れていました。
会社での会議が長引き、上司からの厳しい指摘を受け、さらに同僚との些細な意見の食い違いで心が乱されていました。帰宅すると、両親はすでに眠りについており、家全体が静まり返っています。
私は机に座り、深いため息をつきました。
自分の努力は何のためなのか。周囲に認められたい気持ちがあることは否定できません。
でも、そのために頑張り続けている自分に疑問を感じてしまう瞬間が増えていました。
「頑張らなければ認めてもらえない」というプレッシャー
子どもの頃から、私は「努力する子」であることを求められてきました。成績を上げるために勉強し、親の期待に応えるために模範的な学生でいようと努めてきました。
それが私の価値の証明だと思っていたのです。社会人になってからも、その延長線上で「ちゃんとした社員であること」が求められると感じていました。
その日も、上司に指摘された内容が頭の中をぐるぐると巡っていました。
「どうしてもっと早く動けなかったの？」
「これでは顧客に信用されないよ。」
・・・言葉の一つ一つが心に突き刺さります。
もちろん、指摘そのものは間違っていないのです。でも、その言葉に押しつぶされそうになる自分がいました。
疲れ果てた夜の出来事
そんな夜、私はふと鏡の前に立ちました。
そこに映るのは疲れた顔、肩を落とした姿勢。自分がどれだけ頑張っているかを誰にも伝えられない孤独感が胸を締め付けます。
その時、ふいにスマートフォンに目をやり、以前友人が勧めてくれたブログを開いてみました。それは「好きなことで生きていく」というテーマのブログで、そこで語られていたのは、自分の好きなことを大切にしながら生きる人々の物語でした。
仕事や生活に追われながらも、少しずつ自分の道を切り開いている姿が描かれていたのです。
読み進めるうちに、自分が忘れていた感覚を思い出しました。
私は英語が好きだったことを。学生時代、友人に勉強を教えるのが楽しかったことを。そして、婚活で知り合った人たちと話す中で、他人を支えることにやりがいを感じたことを。
一歩踏み出す勇気を持つ
「自分が好きなことをもっと大切にできたら、この疲れは変わるのだろうか？」
そう考えると、心の中に小さな灯火がともったような気がしました。
その夜、私はノートを取り出して、これまでに好きだと思ったこと、楽しいと感じたことを書き出してみました。
英語を教える楽しさ、婚活を通じて知り合った人々への興味、そして自分らしさを発揮できる瞬間。それらを見返すと、不思議と気持ちが軽くなったのです。
「頑張る」ことは素晴らしいことです。でも、それが他人に認められるためだけではなく、自分の心を満たすためのものだったら、もっと違う形で結果が生まれるのではないでしょうか。
次へのステップ
翌朝、私は仕事の合間にオンラインで英語指導のプラットフォームを検索しました。小さなステップですが、これが新しい自分への一歩になると信じています。
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