パートナーシップの契約をすること自体には全く抵抗はないし、むしろしたいけど、

お金はこれからも“別財布”でやっていきたくて・・・。
 
 
「これからも“別財布”のまま、お互いの財産はお互いで管理していきたい」
 
 
こう感じている方は少なくないのではないかと思います。
 
 
同性パートナーや事実婚カップルの中には、

・生活は一緒にしているけれど、
 収入や貯金は基本的に別管理
・大きな買い物だけ話し合うけれど、
 あとはそれぞれ自由に使っている

といったスタイルを選んでいる方も多くいらっしゃいます。

ここで押さえておきたいのは、

パートナーシップ契約をする=お金のことを一緒にしなければいけない・共有財産にならなければいけない

という訳では決してない、という事。
 
 
特に同性カップルの場合、パートナーシップ契約と同時にする事が多い(勿論、お二人のニーズによりますよ)

遺言、財産管理や任意後見、死後事務委任などの契約は、

「二人のお金を全部ごちゃ混ぜにする」ためのものではなく、
 
 
・“自分名義の財産”を将来どんな順番で、誰にどこまで託したいか

・“もしもの時”にパートナーにどこまで動いてもらいたいか
 
 
を、自分の意思で決めておく為の仕組みです。
 
 
例えば、

・日々の生活費や家賃はこれまで通り別財布のまま

・ただし、自分が先に亡くなった場合には、パートナーに「当面の生活費」や「家財一式」を残せるようにしておく

・親やきょうだいにも一定の財産は遺したい

・でも、長年一緒に暮らしてきたパートナーにも“ゼロ”ではなく、きちんと何かを託したい

こうしたバランスは、

「別財布にするからこそ」

契約で丁寧に決めておく意味があります。
 
 
また、お金そのものだけでなく、

・治療や介護の場面で、誰にどこまで判断してほしいか

・入院や施設入所のとき、手続きや連絡役を誰に任せたいか

といった“決定権”の部分も、遺言や任意後見などの契約で整理しておくことができます。
 
 
ですので、

「これからも別財布でいたい」という場合でも、

・今の暮らしのどの部分が止まると困るのか
・そのとき、誰にどこまで動いてほしいのか
・自分名義の財産のうち、どこまでをパートナーに託したいのか

を一度整理してみるだけでも、どんな契約をした方が良いのか?かなり見えやすくなります。
 
 
その上で、

「今の自分たちのスタイル(別財布の前提)を崩さず、法律的にどんな備えがどこまでできるのか?」

こうした事を一緒に考えていけたらと思っています。