「今やらなきゃ」
ってほど緊急じゃない気もする。
今は特にトラブルもなくて、
二人とも大きな病気もしていない。
「今やらなきゃいけない」
ってほど緊急じゃない気もするし…。
こういう感覚、とてもよく分かります。
実際、任意後見や遺言、死後事務委任などの契約は
「今すぐやらないと手遅れ」という類いのものではなく、
ある程度、タイミングを選べる性質のものです。
だからこそ、
「いつかやろう」と思いながら、
なんとなく先送りになってしまいやすいのも事実です。
ひとつ目安として考えていただきたいのは、
・親の年齢
・自分たちの年齢
・一緒に暮らしてきた期間
この3つです。
特に、法律婚ができない同性パートナーの場合、
何もしていないと
「親の相続」と「二人の生活の守り」
が、どうしても法律上アンバランスになりやすくなります。
例えば、親が高齢になってきている場合、
「親の相続」と「自分の遺言」を
どう両立させるかという問題が、
少しずつ現実味を帯びてきます。
また、一緒に暮らしてきた期間が長くなるほど
共有しているお金やモノ、お互いの生活への影響も大きくなっていきます。
こうした状況が重なってきたとき、
「何かが起きてから、慌てて考え始める」のか、
「まだ元気なうちに、落ち着いて話せるタイミングで方針だけでも決めておく」のか。
同じ“もしもの備え”でも、心の負担や、選べる選択肢の幅が大きく変わってきます。
もちろん、
「今はまだ、情報収集の段階で十分」
という場合もあると思います。
その一方で、
・親の年齢が気になり始めた
・二人の生活が完全に一体になってきた
・どちらかに持病や不安材料が出てきた
こうしたサインが少しでも重なってきたら、
「そろそろ一度、方向性だけでも整理しておこうか」
というタイミングかもしれません。
実際、任意後見や遺言などの
「法的な備え」は、
判断能力が十分にあるうちにしか、自分の意思で選ぶことができません。
「今の状況だと、何をどのくらい準備しておくのが現実的か?」
こういうところからのご相談も、お受けしています。