形の弁別には頭頂間溝が賦活する
知覚に基づく空間認知であり、体性感覚と視覚を照合している脳システム
能動的に探索している時には、頭頂間溝に加えて、運動前野腹側部働く

皮膚上で起こる
触覚(touch)、同定(identification)、速度(velocity)、手触り(texture):反対側の3b、1野
物体の形状曲率(surface curvature):2野
物体の形状(shape):縁上回(ASM)、頭頂間溝(IPA)
が賦活する

視覚による物体の形状弁別は、
一次視覚野から腹側経路(ventral stream)を経由して、側頭連合野に板つ階層性が存在

脳の賦活は体性感覚による弁別の難易度に左右され、体性感覚情報の量には左右されない


3a野:深部感覚情報、筋骨格系からの情報を入力し、指の動きに良く反応する(運動感覚)
3b野:皮膚感覚情報、体性感覚における、物体の表面弁別に役立つ(受動的な刺激の弁別)
1,2野:物を掴んだり、持ち上げたりと機能的な役割を担い、多指複合型ニューロンを反映

体性感覚入力は、受動的な動きによる弁別よりも、能動的な探索による弁別時に正確な情報を得ることが出来る

探索弁別:運動前野、帯状回、前頭弁蓋部、上側頭回、後頭頂葉が賦活
前頭-頭頂部のネットワークが探索による形状弁別に関与している

物体形状の体性感覚情報を保持している時には、
前頭連合野、頭頂間溝、紡錘状回が活動することから、
体性感覚情報の一時的な記憶の保持、ワーキングメモリーが関与しているのではないか


一次体性感覚野で階層的に処理がなされた後、頭頂連合野に送られ、視覚情報と統合される
クロスモダル情報処理(異種感覚統合):複雑な認知過程を必要とする

物体形状のクロスモダルトランスファーの際、島皮質がマルチモダル領域として、
異種感覚統合に関与



体性感覚-視覚弁別:前頭連合野、下頭頂葉小葉
体性感覚-体性感覚弁別:前頭連合野、下頭頂葉小葉
視覚-体性感覚弁別:前頭連合野、下頭頂葉小葉、運動前野、下側頭回

クロスモダルトランスファーの方向によって関与する脳領域が異なることが示唆された

- 参考図書 -
リハビリテーションのための認知神経科学入門 森岡 周 著