久しぶりにブログ更新。

 

今年の長野県のマツタケは豊作だと言うので、知ってる山にマツタケを採りに行って来た。

 

 

綺麗どころを揃えると

 

昨年12月に奈良県の森林技術センターと国の機関である森林総合研究所の合同研究で、マツタケと類似のバカマツタケの人工栽培に成功したとのニュースがあり、続けて今年は兵庫県の肥料メーカーの多木化学でも人工栽培に成功したとのニュースがあった。

 

詳しいことはニュースだけでは分からないが、奈良のはおそらくナラまたはコナラの木の幼樹の根にバカマツタケの菌を付着増殖させたのを植林したもの、また兵庫のは同様にナラまたはコナラの生木を細かく粉砕したもの、あるいは細根を菌床状に固めたものに菌を付着増殖させ子実体(キノコ)を萌出させたものと思われる。

 

だとすると奈良のは植林だから継続して子実体を形成させることが出来るかも知れないが、兵庫のは菌床の元となる木が生産した炭水化物が無くなるとともに菌が死滅して子実体の発生が止まるような気がする。(元の木あるいは別の植物が生成した炭水化物(でんぷん)を噴霧すれば菌は生存するかも。)

 

いずれにせよ、どちらも針葉樹のマツ類に生えるマツタケではなく広葉樹に生えるバカマツタケだが、見かけがマツタケより少し小さいだけで香りや味は全く同じと思って良い。

 

ただこのバカマツタケはインドシナにあるラオスでも見つかっているからマツタケよりも温暖な地を好むようだ。

 

本家のマツタケは日本以外では朝鮮半島や中国東北部の吉林省や南部の雲南省、四川省の高地、ネパールやブータンなどで採られている。

 

また富士山の高地や北海道などで採れるマツタケのDNA検査はやられているかは分からないが、おそらくカラフト、シベリア、フィンランドなどの北欧諸国あるいはトルコ東部やアルメニア、ジョージアなどのコーカサス地方で採れるマツタケと同種ではないかと思われる。

 

マツタケの胞子は研究者によれば風では遠くに飛ばないとのことなので、おそらく渡り鳥の糞に混入したり身体に付着して植生が一致する遠くの地に拡散していったと思っている。

 

自分でもマツタケの人工栽培法を考え続けて来た結果、過去に一度も(少なくとも60年以上)マツタケが採れていない実験場所を見つけてあったが、このニュースを見て尻に火がつき夏にマツタケ菌の増殖を計るための肥料(?)を実験場所に播いて来た。

 

これによりアカマツの根で共生しているはずのマツタケの菌糸は多少は増殖すると思うが、それだけではマツタケの子実体は萌出しないはず。

 

マツタケが子実体を萌出させるのは胞子を放出して子孫を残すための活動。

 

マツタケが萌出する条件として一般的に言われているのは最低気温が15度(地温は19度)を下回る、夏場の雨が多い、台風等で共生している木が揺すられる、雷による電気的ショック等が言われている。

 

確かにこれらに該当する年はマツタケが採れる事が多かった。

 

しかし、そうだからと言って天候条件だけをマツタケ萌出の主要因とする事は出来ないと思っている。

 

マツタケが子実体を形成するのは相利共生の原則が崩れ菌糸の生存が脅かされるために子実体を形成して胞子を放出し、新しい別の根に菌を付着させるための活動だろう。

 

だとすると子実体の形成萌出には天候以外にも重要な要因(引き金)になるものがあると思っている。

 

それについてはあるものが関与していると考えているが、今のところ時間的な余裕がなく実地調査及び実験は出来ていない。

 

 

 

マツタケの人工栽培法を考えるにあたり何年も前からネットで見れる多くの文献を漁って来たが、その中で最も関心を持って見て来た人物が国の機関である森林総合研究所のY博士。

 

昨年の11月に千葉県中央博物館で行われたマツタケの人工栽培についての講演会に講師のひとりだったので講演を聞きに行ったら、妙に自信ありげだったので何かをつかんでいるな、と思っていた。

 

そうしたら12月に奈良でのバカマツタケの人工栽培の成功のニュースがあり、Y博士は共同研究者に名を連ねていたし、今年の1月には間髪を入れずに栽培特許の出願をしている。

 

マツタケの方の人工栽培法は未だ出来ていないが、もしニュースとして流れたらY博士が研究の主体となっているだろう。

 

そう思ったのは自分がマツタケの子実体形成に関して最も大事と思って来た物質があり、その物質についての文献を漁っていたら某大学教授の新しい論文を見つけたので見てみたら、共著者にY博士の名前が・・・・。

 

論文にはマツタケのマの字も書いてないのだが。

 

少なくても昨年まではその物質とマツタケの関係性と言うのは聞いたことも見たこともなかったが、論文に名前を連ねていると言うことは私と同じところに目をつけているような気がする。

 

時間も研究費も余裕たっぷりの国の機関である森林総合研究所の研究者を向こうに回して・・・・ジジイの遊びとしては最高だと思っている。^^;