ニュースによれば土木学会の専門家や国土交通省関東地方整備局の調査委員会は、堤防決壊地点を調査した結果、越水により堤防が浸食されて破壊が起きた、との調査結果を出したようだが釈然としない。

まずは堤防決壊個所よりも4kmほど上流で午前6時ごろに太陽光のソーラーパネルを設置するための工事で、自然堤防を2mほど掘削した場所から越水による洪水を引き起こした。

(下記URLをグーグル地図で見てください。)
www.google.co.jp/maps/@36.1348134,139.9545906,408m/data=!3m1!1e3

しかしながら越水した工事現場に置かれたソーラーパネルや隣接する住居の状態を見ると、越水のみによる浸水のため、大きく破壊される等の被害は受けていない。

(画像は朝日新聞デジタルより借用してます)


次いで7時間後の午後1時前に4km下流で堤防が決壊し、家が流される等の多くの被害を出した。

今回の調査はこの堤防が決壊した部分とのこと。

午前6時には4km上流で越水で洪水が起きているのに、何故ここで堤防の決壊が起きたのかを、単に上流と同じように越水の浸食による堤防破壊と結論づけるのは早急すぎると思う。

ここが今回の堤防決壊個所

(下記URLをグーグル地図で見てください。)
www.google.co.jp/maps/@36.0988989,139.9662099,204m/data=!3m1!1e3

画像によれば決壊箇所の2~30mほど下流で堤防を越えて工事用道路が切られ、河川敷は画像の陰影から推定すると数mは掘られている。

だから前回も書いたけど、重機やダンプカーなど重量のある車体が堤防を上り下りすることにより、堤防自体の強度が相当に低下していたのではないか、また河川敷が掘られていたことにより、水流が引き起こす渦のような反転流が堤防の弱くなっていた部分を削り取り、いっきに決壊したと推察している。

越水が原因ならば、ここの前後の堤防からも広範囲に越水していたはず。


だからと言って、ここが決壊しなくても上流ではすでに越水をしていたのだから、浸水の被害は軽減はしなかったろう。

しかしながら、今回は堤防決壊の原因調査というのであるのなら、何故にこの部分だけもろくも決壊したのかをもっと詳細に調査すべきだと思う。

何しろ全国の河川の堤防では、同様の方法で工事が行われているのだから、危険回避のためにもっと精査をして発表して欲しい。