山部宿禰赤人 不藎山を望める歌一首幷に短歌 317 天地の 分かれし時ゆ 神さびて 高く貴き 駿河なる 布土の高嶺を 天の原 ふり放け見れば 渡る日の 影も隠らひ 照る月の 光も見えず 白雲も い行きはばかり 時じくぞ 雪は降りける 語り繼ぎ 言ひ繼ぎ行かむ 不藎の高嶺は 318 田兒の浦ゆうち出でて見れば眞白にぞ不藎の高嶺に雪はふりける