射ゆ獸を認ぐ川邊の若草の若くありきと吾が思はなくに

 

 今城なる小山が上に雲だにも著くし立たば何か嘆かむ

 

 飛鳥川漲ひつつ行く水の間もなくも思ほゆるかも

 

 

 

・658年/齋明4年 中大兄の子/建王が8歳でこの世を去った

 祖母が愛する孫に捧げた悲しみの三首

 

・齋明天皇は三年後 新羅征伐の為に筑紫に赴き 朝倉行宮で崩じる  68歳であつた