実は事故当初の診断では骨折は2箇所でした。
それが3箇所目の骨折がわかったのがこのときでした。
松葉杖を1本にして歩行訓練を始めたとき足首に激痛が走ります。
骨折箇所は治っているはずですがリハビリの後は腫れてきます。
主治医も「これはおかしい?」と首をひねってました。
レントゲンでは写りにくかったのですがMRIで検査してわかりました。
足首の中の距骨(キョコツ)という骨が圧迫骨折していたそうです。
この骨はからだの全体重を受け止めるため歩行の時には大きな負担がかかります。
圧迫されてつぶれたためになかなか元には戻らないそうです。
リハビリは膝の機能回復中心のメニューにかわり、再び松葉杖での生活が始まりました。
3月半ば、入学式までは1ヶ月ありません。気持ちは焦っていました。
1ヶ月、思うようにならない足と格闘しながらひたすら回復を願いました。
相変わらず痛みがあり、リハビリのあとは腫れてきます。
「無理すれば骨が壊死を起こすかもしれない」主治医からはそう告げられていました。
どうなってしまうのかわからない足に不安とイライラが募ります。
「一生、杖を突くことになるかもしれない?」そんなことも言われました。
考えがまとまらず堂々巡りを繰り返しながら悶々とした日々が過ぎていきます。
そんな中、ある日突然ひらめきました。
「杖をついたっていいから自分の思う道を行きたい!」
何かが吹っ切れました。迷いがなくなりました。
その日に主治医に会い「3月いっぱいで退院して学校へ入学します」と伝えました。