インフルエンザと風邪の違いは前者が高熱があり、悪寒も長期にわたりますが、後者は微熱で悪寒も短期間に終わるという違いです。インフルエンザはインフルエンザウイルスA型、B型で、風邪はインフルエンザウイルスC型にライノウイルス、アデノウイルスなどによるものです(中外製薬サイト参照)。通勤時間帯に乗客の方々を観察していて、マスクをしていない方々にくしゃみを連発される方が多いように思いますが、それがインフルエンザなのか風邪によりものなのか素人には判別がつきません。でも、こういう方たちから感染拡大するんだろうなぁとため息をついちゃいます。

A型のインフルエンザウイルスで「H5N1型」というとヒトからヒトへの感染拡大に恐怖して世界中で監視を続けている「トリインフルエンザ」です。鳥類にA型のインフルエンザウイルスが感染して感染拡大していく致死率の高いインフルエンザウイルスです(*)。

HとNというのはウイルスを構成しているタンパクのことです。Hとはウイルスが感染しようとする対象物の細胞内に侵入するときに働く”ヘムアグルチニン”で、Nは細胞内に侵入増殖させて再び細胞の外に出てくるときに働く”ノイラミニダーゼ”です。このNを取り除いて感染を抑えるのがインフルエンザ薬のタミフルです。外に出たウイルスは他の感染対象物に再びとりついて感染を拡大させていきます。

Hは15種類、Nは9種類が確認されており、HとNの組み合わせでH1N1、H7N1などと呼称します。ちなみに15×9で135種類の組み合わせがあります。インフルエンザウイルスにはA、B、Cの3つの型がありますが、これは核タンパクのことです。人にとりついて感染拡大するのはAとBの2つです。つまりインフルエンザウイルスはタンパクの粒子なのですね。

(*)Wiki「インフルエンザ」参照:「鳥インフルエンザウイルスには20種ほどのタイプがあり、中でもH1、H2、H3、H5、H7、H9型が知られる。H1・H3型は人間に感染し、Aソ連型・A香港型として知られる。H5、H7、H9型は毒性が強いことで知られる。鳥から人への感染力は弱いと見られ、人への感染例は少ない。しかし感染者の死亡率は60–70%とSARSの10%を上回る」

今、中国でヒト→ヒトへの感染例が疑われている「H7N9型」も、トリインフルエンザです。中国ではヒトからヒトへの感染例はないと発表しているようですが、どうなのでしょうね。中国は2002年から2003年に感染拡大したSARS情報の隠蔽を行っており、以来、信用されない国のレッテルを貼られてしまいましたからね。いずれにしても正しい情報を掴むことが肝心です。