あたし鈴原理心(スズハラリコ)は高校1年生。
「おはようちゃん」
ガラっと教室のドアを開け自分の席へと座る。
「莉心、おはよう」
そう言って声をかけてきたのは親友の、中野留美(ナカノルミ)。
留美は自分では分かってないけど相当な美人さん。
背が高くて髪もサラサラのロングヘア。
クリッとした二重の目に睫毛も長くて肌も白い。
入学式の時に一目惚れして話し掛けたという…これってナンパ?
逆ナン?
なんて言うんだろう。
とにかく容姿に惚れて声をかけたら
「鈴原さんて背、小さいのね?すぐ見失いそうだわ」
ふふっ、と笑うその笑顔に、あたしの心は更に奪われた。
って、普通に男の子が好きなのよ!!
だけど留美とは仲良くなれる気がした。
「ねぇ留美。数学の宿題さ…」
「イヤよ?自分でやりなさい!!」
う…。
美人さんな留美。
なんだけどズバズバとくるんだよね…。
「そんなこと言わないでさ…」
「あんたは、何度言ったら分かるの?あたしの写したって莉心の為にはならないでしょ?」
はい…ごもっともです…。
そうなんですが…。
机に突っぱねてると
「莉心ー、留美ー、おはよー!!」
チャイムが鳴るギリギリに入ってきた奴。
藤堂平助。
平助も、またここで出会った奴だった。
つづく…。