「楽しかった!!」
ね、左之さん!!あたしたちの部屋に帰り、思いっきり抱き着くと
「なに、誘ってんの?」
「さそ…っ」
左之さんの変なスイッチを、押したらしいです…。
「なんなら、お望み通りにしてやろうか?」
「ま、まままま待って…!!」
「なに、焦ってんだよ。」
俺、嫉妬したんだけど?と、迫りくる左之さん。
「し、嫉妬?だ、れに?」
聞き返すと
「お前、酒弱いくせに飲みすぎなんだよ。転びそうになったとこを雅に抱きとめられて」
左之さんの拗ねたとこを初めて見た。
若干嬉しくなりニヤつくと
「あー、俺も桜抱きとめてやれば良かったな」
あたしを地獄に落とした。
桜さんは、左之さんの元カノなわけで、付き合ってたんだから当然あんなことや、こんなこともやってたわけで…。
確かに飲み過ぎたけど、それはあたしが悪いけど、でもそれは左之さんが桜さんと楽しそうに話してるとこを見て、ボーッとしてたからで…。
「いいよ…」
「んぁ?」
「桜さん、抱きとめてきたら、いいじゃん…」
あたしは、やっぱり子供で…。
「奈緒」
左之さんの声に、あたしの視界は歪んで俯くと同時に抱きしめられた。
つづく…。