「えぇ!どんなんだったんですか?場所は?なんて返事したんですかっ?」
葵の目がキラキラしてる…。
「ちょっ…そんな一気に質問しないでよ…」
あたしだって、されたばっかりで思い出しただけでドキドキするんだからっ。
「だって~!気になるじゃないですか!!」
「分かったから…言うから、落ち着いて?」
本当、葵には何でも話せちゃうな…、そんなことを思いながら話し始めた。
プロポーズされたのは、ちょうど1週間前。
「奈緒、出掛けるぞ」
「え、どこに?」
それは、突然の誘いだった。
「俺と奈緒の大事な場所」
「……??」
頭が?で、いっぱいだった。
あたしと左之さんの、大事な場所…?
「今日はバイクな?そろそろ、乗ってみようぜ?気持ちいいからさ」
そう、左之さんはバイクも乗るんだ。
あたしは、いつも怖いからと断ってたんだけど…。
本当は、乗ってみたいなって思い始めてたんだよね。
でも、バイクで大事な場所…?
バイクなら、公園じゃないよね…?
不思議に思いながらもヘルメットを受け取った。
「奈緒、貸して」
初めてのヘルメットに苦戦してると、長い手が伸びてきて、あっという間に準備が整った。
つづく…。